「Xperia 1 V」のカメラで注目すべき2つの進化 新型センサーの高感度性能はめちゃスゴかった荻窪圭の携帯カメラでこう遊べ(1/3 ページ)

» 2023年06月15日 12時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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Xperia 1 V レビュー 「Xperia 1 V」。3つ並んだカメラの真ん中のメインカメラ(広角カメラ)がぐっとアップデートされた

 「Xperia 1」もとうとう5代目。順当に進化を続けていて何よりなのだが、ぱっと見た感じは全モデルの「Xperia 1 IV」とあまり変わらない。質感やディテールはともかく、3つ縦に並んだカメラという構成はそのままだし、超広角カメラと望遠ズームカメラのユニットは前回と同じだ。

 でも中身の進化はすごい。

 注目したいのは「メインカメラが新技術を搭載した新型になった」ことと「アプリがバージョンアップしてより使いどころが増えた」ことだ。

「2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー Exmor T」とは

 何はともあれ新型センサーの話から始めたいのだが、その前に基本を。

 3つ並んだカメラ。上から順に16mm相当の超広角、24mm相当の広角カメラ(メインカメラ)、そしてペリスコープ型のズームレンズを入れた85-125mm相当の望遠カメラだ。

Xperia 1 V レビュー 3つ並んだカメラは順に、超広角、広角、望遠ズームの3つ
Xperia 1 V レビュー 3つのカメラの中身。中央が新しいセンサーを搭載したカメラ。一番下が横長なのはレンズが横向きに入っているからだ

 この中で超広角と望遠ズームカメラは前モデルと同じユニット。変わったのは広角カメラだ。センサーサイズが1/1.35型と大きくなり(前モデル比 約1.7倍だそうだ)、さらに「2層トランジスタ画素積層型CMOSイメージセンサー」という最新のセンサーになったのである。

 「2層トランジスタ画素」って何?

Xperia 1 V レビュー Xperia 1 Vの記者説明会より。新型センサーの違い

 イメージセンサー上には「フォトダイオード」(PD)がびっしり並んでおり、それが光を受ける。性能を上げるにはいかに1画素あたりのフォトダイオード面積を広くするかが大事で、ソニーは裏面照射型→積層型とセンサーの構造を変えることでそれを実現してきた。

 そして今回、フォトダイオードの隣に必要だったトランジスタを裏に持っていって2層構造にすることで受光面積をさらに広げたのである。低照度時の性能が約2倍になったというのだから差は大きい。

 もう1つ超細かいことだけど、センサーのアスペクト比が4:3から「4.3:3」になった。ほんのちょっと横長になったのである。細かすぎる違いだけど、動画撮影時は静止画撮影時より横方向に広い範囲が映るのだった。

Xperia 1 V レビュー 上が静止画時、下が動画時(手ブレ補正オフ)。動画時の方が左右の画角が少し広いのが分かる。画面はPhotography ProのBASICモード

 動画時はほぼ手ブレ補正オンで使うから画角はもうちょい狭くなるけれども、細かすぎる違いもあるのだ。

Photography Proが縦位置撮影に対応!

 なんて能書きを垂れられても分からないよね、というわけで撮ってみる。

 前モデル同様、カメラアプリは「Photography Pro」。BASICモードでは「スマホらしいUI」で、背景ぼけとかインカメラでの自撮りとか動画撮影とかできる。BASIC以外のモード(AUTO/P/S/M)ではカメラっぽいUIで細かいセッティングをしながら撮れる構成だ。

Xperia 1 V レビュー BASICモード。画面はシンプルでスマホっぽい
Xperia 1 V レビュー Pモード。細かい設定をタッチで操作できる本格派カメラっぽいモードだ

 このようにBASICモード時は縦位置での撮影に対応していたけど、BASIC以外では横位置専用で画面にはシャッターボタンがないデザインだった。

Xperia 1 V レビュー AUTO/P/S/Mの各モードで撮るときは側面のシャッターボタンを押すのが仕様

 それが今回バージョンアップで、全モードで「縦位置撮影」に対応したのである。素晴らしい。しかもシャッターボタン付き。その分画面が狭くなるが、そこはFnボタンで対応する。

Xperia 1 V レビュー このように縦位置にするとシャッターボタンも現れるのだった。朗報である
Xperia 1 V レビューウルトラマン像 かくして、縦位置でPhotography Proできるのだった。そして言うまでもなく、色も階調も文句なしの画質である

 BASICモードとそれ以外のモードの違いが1つ減ったわけだが、まだ両者を使い分ける意味はある。BASICモードはスマートフォン風のデザインで、撮影機能もスマートフォンならではのものを全部サポートしているからだ。例えば、スマートフォン的コンピュテーショナルフォトグラフィーの代表機能といえる「ぼけ」機能はBASICモードのみ使える。

Xperia 1 V レビュー ぼけ機能を使いたいときはBASICモードで
Xperia 1 V レビュー 見事にボケております

 インカメラを使った自撮りも「スマホならでは」なのでBASICモードオンリーだ。BASICモードでは動画も撮れるのも大きな違い。Xperia 1 Vは「Video Pro」と「Cinema Pro」という動画撮影専用アプリを持っているが、写真を撮りつつ、動画も、というときは同じアプリで済ませたい。

 他にもBASICモードだとHDRが自動でかかるし、暗いと自動的にナイトモードになるといったカメラ任せで撮れるといった特徴もあるので、うまく使い分けよう。

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