ここからは動画の話。カジュアルに撮るならPhotography Proの動画モードで本格的に撮るならVideography Proだ。
どちらにも新たに「S-Cinetone for mobile」(S-Cinetoneのモバイル版)という設定が用意された。人の肌をキレイに、しかもコントラストは低めで映画っぽい画作りをしてくれるルックで。ソニーのVLOGCAMでも新モデルではどんどん搭載されている。
従来の動画が色のノリがよくてコントラストが高めのはっきりしたビデオっぽい映像だったのに対し、S-Cinetoneは階調が柔らかく色もやや抑えめで肌の描写も柔らかい映画っぽい映像を撮れると思っていいかと思う。
Videography ProではSDRかSDRのS-CinetoneかHDRかという選択肢になる。HDR動画は視聴環境を選ぶところもあるので、普通はS-Cinetoneを選んでおけばいい。
で、このVideography ProもPhotography Proと同じような改善が施されている。なんと、縦位置での動画撮影も可能になったのだ。縦位置動画が当たり前になった昨今、Videography Proのようなアプリが対応したのは印象的だ。
ついでにいえば、Videography Proでインカメラに切り替えることもできるので、縦位置自撮り動画もOKだ。純正のケースはスタンドにもなるのでこうして撮ることもできる。
さて、動画の基本性能は、4Kなら60fps、フルHDだと最高で120fpsを実現。手ブレ補正はオフ、スタンダード、高品質の3パターン。高品質にすると画角は狭くなるが補正は強力になる。
では、人物から風景まで、明るいところから夜までS-Cinetoneで撮影してつないでみたものをどうぞ。4Kの30pで横位置だ。
S-Cinetone for mobileの柔らかい階調の雰囲気は分かってもらえるかと思う。
今回は新型センサーになった広角カメラでの画像や映像をメインにレビューしてみたけど、このセンサーって普通にすごい。1型センサーを搭載した「Xperia PRO-I」の後継機はでないのかーと思っていたけど、このクオリティーで撮れるのならXperia 1 Vで問題ないって思えるかも。しかもソニーらしくAFも連写も速くて高性能だ。
ただ、気になったのはメインカメラ(広角カメラ)の性能がどんどん上がる分、超広角カメラと望遠ズームかメラの差が開いていること。ユーザーとしてはなるべくシームレスに使い分けたいのだけど、これだけ差が出ると広角カメラばかり使いそうだ。
特に望遠ズームカメラは、薄いボディーに望遠レンズを収めねばならない関係上、どうしても大きなセンサーを搭載できないというジレンマはあるけれども、なんかいい手はないですかねえ、と思うのだった。カメラユニットがもうちょっと分厚くなって飛び出てもいいですよ、と思ったりするけど、そう思わない人もいるだろうし、悩ましい。
モデル:長谷川実沙
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