スマホは“基本的人権” 楽天モバイルが「最強こどもプログラム」を提供する理由(2/3 ページ)

» 2024年05月02日 23時53分 公開
[金子麟太郎ITmedia]
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ターゲットはα世代 「基本的人権であるスマホ」デビューを狙う背景

 最強こどもプログラムは、ネーミングに「最強」と付いていることから、分かりやすさ重視の割引プログラムであることが見て取れる。まずは最強家族プログラム、次に最強青春プログラム、そして今回発表の最強こどもプログラムへと続いている。何が最強なのかという議論はあるものの、統一感があり一目で誰向けのプログラムなのかが明確になっている。

 マーケティング企画本部で本部長を務める中村礼博氏は、最強家族プログラム、最強青春プログラム、ネットワーク品質の改善、キャンペーンなど、多様な施策によって、「4月3日時点での契約数が650万回線を突破した」と手応えを話す。さらに、「同日以降も順調に契約数が増えた」とした上で、「700万突破というのも、そう遠くない時期に発表できるだろう」と意気込む。

Rakuten 楽天モバイル 子ども 最強こどもプログラム マーケティング企画本部で本部長を務める中村礼博氏

 この流れで行けば「シニア」向けの割引プログラムがあっても不思議ではないが、5月2日の発表会では具体的な言及はなかった。では、なぜ楽天モバイルは子どもに目を向けたのだろうか? 同氏は、2010年代序盤から2020年代中盤にかけて生まれた、α世代を例に説明する。

 「2010年頃からコミュニケーションもちろんのこと、インターネット上の世界、ブラウジング、買い物、動画、ゲームなどといった生活のあらゆる場面において、スマホが活用される時代になった」と前置きした同氏は、「α世代が活躍していくためには、スマホをどう使いこなし、進化とどう向き合っていくのか、世界とどうコミュニケーションしていくのか、というのが非常に重要になってくる」と続ける。

Rakuten 楽天モバイル 子ども 最強こどもプログラム 最強こどもプログラムのターゲットとなるのはα世代。2024年5月現在、小学生の人だ

 一方で、α世代のスマホ所有率は、それほど高くないというのが現状だという。東京都の調査によると、小学校1年生〜3年生でスマホを所有しているのは27.2%、小学校4年〜6年生でも43%と半数を超えてない。

Rakuten 楽天モバイル 子ども 最強こどもプログラム 半数超えしないα世代のスマホ所有率

 子どものスマホ所有率が伸び悩む理由に「SNSでのトラブルに巻き込まれる」「子どものスマホ代にお金がかかる」などが挙がるという。逆に子どもにスマホを持たせるメリットは何か。「GPSで子どもの居場所が確認できる」ことや。「緊急時災害時に連絡が取れる」こと、子どもとのコミュニケーションが増えた」こと、「学習アプリを活用するようになった」こと、「ITリテラシーが身についた」ことなどという声もあるという。

Rakuten 楽天モバイル 子ども 最強こどもプログラム SNSなどでのトラブルや金額面を気にする人が多いようだ
Rakuten 楽天モバイル 子ども 最強こどもプログラム 一方で、保護者が子どもにスマホを持たせるメリットに、位置情報の把握などが挙がる

 楽天モバイルは「今後、日本がさらに発展していくため、日本が世界をリードしていくため、誰でも手軽にスマートフォンを持てる社会を作りたい」(同氏)という思いから、子ども向けの割引プログラムを設計したという。

 「スマホは家族、友人との連絡、決済語学、 AI学習、買い物、医療娯楽あらゆるサービスの入り口」(同氏)になっている。それゆえに同氏はスマホを「基本的人権である」と表現する。基本的人権はその言葉の通り、「人が持つ基本的な権利」だが、権利をスマホに置き換えて理解すれば、「誰でも当たり前のように持てるスマホ」は「1人の人間はもちろん、家族や社会の必需品である」と訴えたいのだろう。

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