楽天モバイルも“学割”領域を攻めて「選択肢に入らない」の解消へ

» 2024年03月07日 23時29分 公開
[田中聡ITmedia]
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 楽天モバイルが、22歳以下のユーザーを対象に、楽天ポイントを毎月110ポイント付与する「最強青春プログラム」を3月12日から提供する。

最強青春プログラム 22歳以下に毎月110ポイントを付与する「最強青春プログラム」

 同社は2月に、家族が楽天モバイルに加入すると、1人あたり110円(税込み、以下同)を割り引く「最強家族プログラム」を提供開始したばかりだが、この“家族割”と同様、“学割”もこれまで提供してこなかった。

 月額3278円でデータ通信使い放題の「Rakuten最強プラン」は、ベースの料金が安いので、家族割や学割がなくても十分勝負できる料金プランではあった。しかし、子どもに学割を利用させたいキャリアの選定理由として、「家族でまとめているから」という声が74.5%挙がっているという調査データもあり、学割を提供していない楽天モバイルは、そもそも子どものスマホ契約で選択肢に入っていなかったという。

最強青春プログラム 子どもに学割を利用させたいキャリアの選定理由
最強青春プログラム 学割を提供していない楽天モバイルは、子どもに持たせるスマホ回線の選択肢に入っていなかった

 最強青春プログラムの特典内容は、「毎月110ポイント付与」とシンプルで分かりやすい。しかもキャンペーンではなく“プログラム”なので、ポイント付与は期間限定ではなく、23歳の誕生日前月までずっと適用される。22歳以下なら年齢制限はないのも特徴だ。1年で換算すると、毎年1320ポイントがもらえるので、極端な話、0歳から契約すれば22年で約2万9000ポイントがもらえることになる。

【訂正:2024年3月13日12時35分 初出時、ポイントの換算に誤りがありました。おわびして訂正いたします。】

 割引ではなくポイント付与にした理由について、楽天モバイル サービス企画推進部 部長の西村優氏は「楽天グループは楽天ポイントを強みとして持っているので、還元したポイントで楽天サービスを使ってもらいたい」と説明する。まだ楽天モバイル以外の楽天サービスを使ったことのない若年層を、楽天経済圏に取り込もうとする意図もみてとれる。

 競合キャリアの学割サービスを見ると、毎月1000円台〜2000円台の割引が多く、例えばauは1年間、ソフトバンクは6カ月間、月額1078円で20GBのデータ通信を利用できる。対して楽天モバイルは、最強家族プログラムと最強青春プログラムを併用しても、実質220円の割引なので、これを適用しても3GB超〜20GBは月額1958円にとどまる。

最強青春プログラム 最強家族プログラムを併用すれば、毎月実質220円の割引を受けられる

 ただし競合キャリアの学割は、割引期間が6カ月や1年間といった制限がある。競合キャリアで学割を適用、楽天モバイルで最強青春プログラムを適用し、5歳から22歳まで毎月20GBを利用した場合、競合キャリアは合計約73万〜74万円だったのに対し、楽天モバイルは合計約38.4万円と半額近くお得になると説明する。5歳からスマホを持つ人は少数派なのであまり現実味はないが、使用年数によっては、楽天モバイルの方がお得になる場合がある。

最強青春プログラム 期間制限がないのも最強青春プログラムの特徴だ

 低年齢層に楽天モバイルを契約してもらうなら、キッズケータイもラインアップに加えてほしいところだが、「現時点では未定」(楽天モバイル マーケティング企画本部 本部長の中村礼博氏)。子どもがスマートフォンを使いすぎないよう、例えば20GBで制限をするような設定も欲しいところだが、こちらも用意はしていない。現時点ではスマートフォンの利用制限を細かく設定できる、iPhoneの「スクリーンタイム」やAndroidの「ファミリーリンク」を活用するのが現実的といえる。

 2月21日から提供している最強家族プログラムの申し込みは好調に推移しているそうだが、詳細な契約数は非公表としている。

最強青春プログラム 最強家族プログラムの適用は好調に推移しているという
最強青春プログラム 料金プランとども“最強”を推していく

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