Xiaomi 14 Ultraで撮影を始めると、まず驚くのはその素直な描写だ。
近頃のスマホカメラはAIによる補正が過剰であることが多く、シャッターを押すだけで映える写真は撮れるが、見たままに撮れない──そんなシーンが多かった。しかし、Xiaomi 14 Ultraは一味違う。
くすんだところの彩度は低いし暗いところは暗く撮れる。ただ、その素直さや忠実さが、その場の空気感までもを映すようで実に心地よい。撮れた写真を見返すと写真に真摯に向き合ってきたライカの哲学を感じる。
かといってAI補正が全くなされていないわけではない。23mmと75mmの間ではメインカメラのデジタルズームとなるが、5000万画素の1型イメージセンサーとAI補正によって、どの画角でも品質が大きく落ちることはない。
Photography Kitの操作感も相まって、思い通りに写真が撮れる体験は唯一無二だろう。筆者は普段、アンダーで撮ってRAW現像で明るさを持ち上げる手法で撮影しているが、スマホでも低ノイズを維持したまま同じ撮影ができることには心底驚いた。大きく加工しても破綻がないのは1型センサーのメリットだ。
また、デジタルカメラは鮮やかな赤の表現が難しく、色が飽和してしまうことが多い一方で、Xiaomi 14 Ultraはその点もクリアしている。
若干の色飽和は見受けられるものの、花の立体感はまだ残っている。ここまで撮れるのであれば上等だろう。
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