先に紹介したiPad Proだけでなく、M2搭載のiPad Airでも、これらの機能は漏らさず利用できる。Airといってもその名の通り、プロセッサには2022年に発売されたiPad Proと同じM2が搭載されており、処理能力は十二分に高い。Apple Pencil Proを使いたい、ハイエンドタブレットが欲しい、大画面で映像を見たいといったニーズであれば、より価格がこなれたiPad Airがオススメできる。
ただし、iPad Proと比べると、ProMotionに非対応な点には注意が必要だ。リフレッシュレートが低いことは、文章作成や写真の処理などをしているだけだと感じづらいが、スクロールを高速にしようとするとその差が分かりやすい。特に、アプリ一覧を表示する際のエフェクトは、120HzのPro Motionに最適化されている気がする。逆にいえば、iPad Airだと、ややカクツキが目につく。
また、よしあしとは別に、生体認証の仕組みが異なる。どちらもこれまでと同じで、iPad ProはFace ID、iPad AirはTouch IDだ。個人的にはキーボード装着時にそのまま顔が認証され、使い始められるFace IDの方が好みだが、端末と顔に一定の距離が必要になる。タブレット単体で使う際には、Touch IDの方が直感的といえるかもしれない。認証は速く、トップボタンはiPad Proよりも大きいため指を当てやすい。
ただし、インカメラ自体はiPad Proと同様、ベゼルの長辺側に移っている。そのため、本体を横向きにした際に、自分の映像が中央に来やすい。カメラの場所を自然に意識できるようになり、FaceTimeやビデオ会議などはこちらの方が断然しやすい。iPad Proと比べると、マイクやUSB Type-Cの仕様、マイクなど、細かく細かくコストダウンを図っているが、これで十分な人も多いはずだ。
確かにiPad Proのディスプレイは魅力的で、映像美を堪能できる。薄くて軽いボディーも、スタイリッシュだ。一方で、その価格はWi-Fi版で16万8800円(税込み、以下同)から。13型モデルだと、21万8800円にまで上がってしまう。タブレットに何を求めるかにもよるが、価格を見て「うっ……」と思うユーザーも少なくないだろう。逆に、9万8800円からのiPad Airは、バランスがいいタブレット。カラバリやストレージの選択肢の豊富さも相まって、売れ筋になりそうな予感がする。
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