―― 店頭のコミュニケーションを重視しているスターバックスならではの案内方法ですね。他にもスターバックスならではの工夫はありますか。
清水氏 スターバックスは、1杯のコーヒーを通してお客さまとのつながりを育んでいくという理念を大切にしており、店頭でのコミュニケーションを重視しています。
そういった理念を反映したモバイルオーダーならではの機能が、「ニックネーム機能」です。これは、モバイルオーダーで商品を受け取る際に呼ばれる名前を、お客さまご自身で設定できる機能です。
ニックネーム機能には、受け取り間違いを防ぐという実用的な側面もありますが、それ以上に重要なのは、パートナーがラベルを見て「あのお客さまの商品だな」と認識できることです。これにより、ラベルに「お疲れさまです」とメッセージを添えたり、毎回ストローを必要とされるお客さまにそっと付け加えたりと、コミュニケーションのきっかけとして活用できるのです。
―― 店頭スタッフが個人に合わせた接客する際に役立つということですね。
清水氏 そうです。この機能を導入してからSNSで興味深い反響がありました。
例えば、あるお客さまが人気アイドルグループのメンバーにちなんだニックネームを設定していたところ、コーヒーをお渡しする際にスタッフから「私も好きなんです」と話しかけられて盛り上がったというエピソードがXに投稿されていました。
お客さまに商品をお渡しするだけでなく、お客さまとのつながりを育んでいけるようになっているところが、私たちのサービスのユニークな点だと考えています。
―― メニューのカスタマイズ機能が柔軟にできるのも面白いですね。
伊東氏 モバイルオーダー&ペイを試験的に開始した2019年当初は、カスタマイズのニーズも限定的でした。しかし、お客さまの多様なニーズにお応えするために、徐々にカスタマイズの選択肢を増やしてきました。
店頭で注文する際のカスタマイズをモバイルオーダーでどのように表現するかについては、特にこだわりを持って取り組んでいます。
カスタマイズの例としては、氷の量の調整やミルクの温かさの指定などがあります。これらは従来、店頭でのお客さまとパートナーとの対話の中で実現されてきたもので、中にはデータ化されていないものもありました。私たちは、そうした細やかなカスタマイズをいかにしてモバイルオーダーの画面上で実装するかについて、入念に検討し、工夫を重ねてきました。
―― 最後に読者の方にメッセージをお願いします。
伊東氏 お店に着いてから、列ができていて「あまり時間もないしやめようかな」と思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。モバイルオーダー&ペイは、そうした方にも「これだったら自分の時間を大事にしながら便利に使えそう」と思っていただけるようなサービスに作り込んでいます。ぜひ一度、体験してみてください。
スターバックスのモバイルオーダー、会員登録やアプリ不要に Apple「App Clip」導入で
「ホーム画面」と「アプリの在り方」が変わる iOS 14が“飛躍的な進化”といえる理由
「くら寿司」モバイルオーダー体験記 座席予約、スマホから注文が便利 最後に改善してほしいと感じた“アレ”
マクドナルドのモバイルオーダーがやめられないワケ ポイント二重取り終了で欠点が皆無に?
ガストの「テーブル決済」をPayPayで試してみた 便利だけど思わぬワナもCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.