楽天モバイルは6月27日、プラチナバンドを用いた商用サービスを開始したと発表した。これまでつながりづらかった場所で、楽天モバイルの通信サービスを利用しやすくする。
2023年10月、総務省から700MHz帯のうち3MHz幅(715〜718MHz/770〜773MHz)の割り当てを受けた楽天モバイルは、2024年4月30日に700MHz帯の試験電波を発射。2024年度第1四半期の決算会見で、楽天グループの三木谷浩史社長兼会長が6月ごろの開始を明らかにしていた。
700MHz帯の通信サービスは、主要都市部などから順次、エリアを拡大していく。既に運用している1.7GHz帯向けの無線設備に700MHz帯のアンテナを追加することで、スムーズにエリア拡大できるとしている。プラチナバンドは障害物を透過して電波が回り込みやすい性質を持つため、700MHz帯を運用することで、地下鉄や屋内の通信品質改善が期待される。
ようやくプラチナバンドを手にした楽天モバイルだが、NTTドコモでは「ユーザーの端末がプラチナバンドにつながり過ぎてしまう」事例が2023年夏頃に注目された。高層ビルが立ち並ぶ環境で、ユーザーの端末がプラチナバンドをつかんで通信をし続けることで、プラチナバンドの混雑につながってしまったという。
他の周波数帯に空きがあるのに多くの端末がプラチナバンドにつながり続けてしまうと、つながっているもののデータが流れず、「つながりづらい」「遅い」などの体感となるのだ。
この懸念点について、 楽天モバイルの矢澤俊介社長は「ユーザーの端末に最適な周波数が届くよう、チューニングを行う」との考えを示した。
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