プロナビ

PCシェアでNo.1を獲得したレノボとモトローラが「ハイブリッドAI」戦略を手がける理由(2/2 ページ)

» 2024年07月16日 18時00分 公開
[井上翔,ITmedia]
前のページへ 1|2       

ハードウェアを一貫提供できるからこそ可能な「ハイブリッドAI」

 昨今の生成AIブームを受けて、LenovoでもグローバルでAIに関する取り組みを強化している。同社では2024年からの3年間で、AI関連製品/ソリューションに対して10億ドル(約1600億円)の投資を行うとしており、パートナー企業との協業の強化も進めている。

 日本法人である3社も、「AIの技術が、本質的な価値創造にどうつながるのか」という観点で、取り組みを進めていくという。

グローバルでの取り組み LenovoグループのグローバルにおけるAI戦略

 AIといえば、昨今は「自分のデータは自分で保持したい」という観点からデータのローカル保存/処理へのニーズも高まっている。一方で、特に個人ユースの場合、処理パフォーマンスを考えるとサーバ側でAIの処理を行う機会もまだまだ多い。

 Lenovoグループは、クライアントデバイス(PC/スマートフォンなど)からエッジ/データセンター用サーバまで、AIに欠かせないハードウェアをグループ内で一貫して提供できる。その強みを生かして、ローカル(オンプレミス)とエッジ/クラウドの処理を有機的に組み合わせた「ハイブリッドAI」を、ユーザーの使い方やデータの使われ方に合わせて提供していくという。

 日本法人である3社も、基本的にはグローバルのハイブリッドAI戦略を踏襲しつつ、日本の個人/法人/団体のニーズを踏まえた製品/サービス/ソリューションを展開していく方針だ。

ユーザーに寄り添う 日本のユーザーに寄り添う形で、グローバルにおけるハイブリッドAI戦略を展開していくという
レノボの強み Lenovoグループは「クライアント」「エッジ」「クラウド」の3層におけてハードウェアを展開している

PC製品:Windows 10のサポート終了やNext GIGAに備えつつ、AI PCの普及を推進

 レノボ・ジャパンが担うPC製品については、2025年10月に迫った「Windows 10」のサポート終了を契機とした法人/団体におけるPCリプレース需要、GIGAスクール構想の第2期(Next GIGA)に備えた学習用端末のリプレースに対処しつつ、個人向けを含めたPCにおいて「AI PC」の普及に努めるという。

 AI PCという観点では、Microsoftの「新しいAI PC(Copilot+ PC)」に準拠するモデルを順次投入し、幅広いユーザー層にNPU(ニューラルプロセッサ)搭載PCを行き渡らせつつ、その普及の“鍵”を握るアプリのエコシステム構築にも注力する。

PC レノボ・ジャパンのPCスマートデバイス事業部の2024年度注力領域
Copilot+ PC 日本では「Copilot+ PC(新しいAI PC)」準拠モデルとして、個人向けモデル「Yoga Slim 7x Gen 9」(右)を発売済みで、法人向けモデル「ThinkPad T14s Gen 6」(左)も近日中に正式発表する予定だという(参考記事)
NPUの普及 NPUを備えるPCの普及の鍵を握るアプリやサービスの開発についても注力するという

スマホ:「AI」「法人」「Z世代」に注力

 モトローラ・モビリティ・ジャパンが担うモバイル端末については、「moto AI」というAI機能の拡充と、マルチデバイス連携機能「Smart Connect」の開発によって利便性の向上に努めるという。

 スマートフォン向けSoCでは、PCよりも早い段階でNPUの搭載が進んでおり、特にカメラ機能で広くAIが活用されている。モトローラとしては、カメラ機能におけるAI機能の拡充に引き続き取り組みつつ、撮影後の処理(コンテンツの生成)や、ユーザーの操作を支援する「パーソナルアシスタント」におけるAIの活用も進めていく方針だ。

moto AI モトローラでは「moto AI」のブランドのもと、スマートフォンにおけるAI機能の拡充を進める
Smart Connect モトローラ製スマホ、レノボ製Androidタブレット、Windows PCの三者間でデータ共有やハードウェアリソースの相互利用を行える「Smart Connect」も提供している

 その上で、同社は端末ラインアップの拡充とタッチポイント拡大、法人ビジネスの強化や「Z世代」を意識したブランド認知度向上策の検討などを進めていくという。

モトローラの方針 モトローラ・モビリティ・ジャパンの2024年度注力領域

サーバ/ソリューション:AIシフトを鮮明に

 レノボ・エンタープライズ・ソリューションズが担うインフラストラクチャー・ソリューション事業では、AIの普及によって課題として浮上した「より高いパフォーマンス」と「消費電力の削減」の両立や、企業におけるサブスクリプション式のサーバ/ストレージ/HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)サービス「Lenovo TruScale」の一層の推進に注力するという。

 他にも、Lenovoがパートナー企業と共同でグローバル展開しているAIスイートの国内導入を進めていく。

ソリューション レノボ・エンタープライズ・ソリューションズの2024年度注力領域
AIソリューション Lenovoが展開しているAIソリューションも国内展開を本格的に開始する
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年11月02日 更新
  1. 「iPad mini(A20 Pro)」は何が進化した? 「iPhone Duo」とはどう違う? スペックや用途を比較する (2026年11月01日)
  2. ダイソーで1100円の「PD対応20Wモバイルバッテリー」を試す 手頃な価格でそこそこ高速にスマホを充電可能 (2026年10月31日)
  3. KDDIの名機「INFOBAR」に新展開、11月18日に何かを発表――砂原哲氏が明かす (2026年11月01日)
  4. Google マップの新機能「マップに相談」は“知人に聞く”感覚で使える 「Pixel 11 Pro Fold」などフォルダブルとの相性も抜群 (2026年10月31日)
  5. iPhone Duo、最適化できていないアプリに不満の声続出――App Storeでの「強制」により年明けには一気に解消か (2026年11月01日)
  6. 「iPhone Duo」は“我慢の連続” 歴代最重254g、Face IDなし……それでも満足できる人の条件が分かった (2026年10月30日)
  7. 若者が選ぶ流行語「チャッピー構文」ってなんだ? 「結論から言うね」なAIの口癖、実は人間のせいかもしれない (2026年10月30日)
  8. セブン‐イレブンで最大11%還元や“現金還元”も 新登場「nanacoクレジットカード」のお得度を検証する (2026年11月02日)
  9. キャリアともMVNOとも違う独自路線 povoが目指す「パートナー連携2乗」と世界展開の勝算 (2026年10月31日)
  10. スマホの映像をTVやディスプレイに出力すると意外と便利(プレゼンとか特に) (2026年10月31日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー