KDDIとソニーは7月12日に「Xperia 1 VI」「Xperia 10 VI」の発売を記念したファンイベントを共同で開催した。場所は「esports Style UENO」(東京・台東区)で、auユーザーだけでなく他キャリアユーザーを含む、抽選に当選した人が集った。
本イベントではXperia 1 VIが貸し出され、実機を触りながらプレゼンテーションを聞けた他、プロのカメラマンからのアドバイスを参考に、Xperiaでの撮影体験を行えた。この記事では本イベントで語られたことや、開催の意図をお伝えする。なお、説明はXperia 1 VIにフォーカスしたものとなる。
Xperia 1 VIは、アスペクト比が19.5:9の有機ELディスプレイや最大7倍の光学ズームが可能なアウトカメラ、容量5000mAhのバッテリー、3.5mmイヤフォンジャックなどを搭載する。KDDIの他にもNTTドコモ、ソフトバンク、ソニーストアなどが販売している。
本イベントで多くの時間を割いて説明されたのはカメラだ。ソニーで商品企画を担当する八木隆典氏は、Xperia 1 VIの光学ズームについて、「画質劣化なくさまざまな被写体を撮影できる」ことを重視して、カメラの設計を行ったと語る。
先代モデル「Xperia 1 V」からの変更点については、「より遠くのものを撮影できるようになった」ことをアピールしつつ、スペックにも触れて説明した。Xperia 1 Vでは85-125mmの間が光学ズーム域で最大5.2倍の光学ズームが可能だった。新モデルのXperia 1 VIでは85-170mmの間が光学ズーム域となり、最大で7倍の光学ズームが可能となっている。
八木氏は、大きな望遠レンズがスマートフォンのボディーに入っていることを、展示物と合わせて紹介。ソニーで商品設計を担当した榎嶋大輔氏も望遠力をアピールするとともに、「望遠のカメラモジュールをボディーに詰め込むのに最も時間を費やした」と開発時の苦労を明かした。
望遠力については「肉眼を超え細部まで写すテレマクロ撮影」というフレーズだけでなく、作例でイメージがわくようになっていた。瞳の奥に写るまつげや、水滴の中にまるで花びらがあるかのような作例は、スマートフォンで撮影したとは思えない仕上がりだ。
そのテレマクロ撮影機能は実機で試すこともできたが、撮影に少し苦戦する人もいた。スタッフが実機で丁寧に説明していたが、ピント合わせは少し時間がかかるようだ。
テレマクロ撮影はどのようなシーンにおいて役立つのか。ここで少し補足したい。カメラのレンズには被写体に近づける距離に限界があり、近づき過ぎてしまうと、ピントが合わなくなってしまう。撮影できたとしても、手や人の影が映り込んでしまう。
そこで、ソニーが考えたのは、望遠力を生かしたマクロ撮影だ。被写体に近づかなくても、光学ズームで劣化なく撮影でき、まるでマクロレンズで撮影したかのような仕上がりとなる。
カメラ機能に関しては、写真家/ビデオグラファーとして活動する中西学氏が、作例とともにXperia 1 VIの凄さを語り、写真撮影のコツなどを紹介した。
よくある他社のデジタルズームだと、レンズを伸ばしてズームしているわけではなく、単に画像の一部分を切り取っているだけなので劣化しがち。一方、Xperia 1 VIは物理的にレンズの位置を動かす。一眼レフカメラの望遠レンズを伸ばすような形で撮影するため、きれいな仕上がりとなることを中西氏は評価していた。
日頃からビデオグラファーとしても活動する中西氏らしい気付きとして、Xperia 1 VIが手ブレ補正に強いことを挙げる。手ブレ補正により、「静止画撮影だけでなく、映像制作にも活用できる」と中西氏は語る。
また、スマートフォンを逆さにして撮る、という常識とは逆の発想も中西氏ならでは。「私はダイナミックに撮ることが多いので、スマートフォンを逆さに持って下から取ることが多い」と中西氏。逆さに持つ、とはカメラレンズが地面に近くなるように持つ、という意味。底面が上を向くように持ち、下から見上げるように撮影すると、日常を面白く切り取れるようだ。
初心者にはまず「露出補正」を使ってほしい、と話す中西氏は、Xperia 1 VIでも露出補正ができることを訴えかけた。露出とはカメラのイメージセンサーに取り込まれる光の量を指す。その量はレンズの絞りとシャッター速度で決まる。オートモードではこれらをシーンに適切な値にすることで、ほどよい仕上がりとなるが、自分好みの明るさにすることも可能だ。
その補正をカメラ任せにせず、ユーザー自らで行う、というのが中西氏の話す露出補正だ。露出を補正するためのスライドバーを調整して、「写真を暗くすると、全体のディティールがグッと出て、よりこの暗い表現がしやすくなる。露出補正を適正(0)にすると、カメラが判断したものしか記録できない」(中西氏)ため、この仕組みを覚えておくと表現の幅が広がるようだ。
写真の色味を変更したい場合は「ホワイトバランス」の活用がおすすめだという。ホワイトバランスは暖色系にしたり、白色LEDに近い色にしたりするのに役立つ。また、構図を決めづらいときは「グリッドライン」を使うことで、水平を保ち、構図の中心を確認できるという。
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