EVERINGは、2024年3月にNTTドコモと企業のEVERINGが業務提携契約を締結し、5月に一部のドコモショップでも販売を始めた製品だ。EVERING自体は2021年に製品だが、ここ数年でタッチ決済に対応した店舗が増えたことで、大阪・関西万博への協賛や、今回のドコモとの提携などで販売を拡大している。むしろ、これからが売れる時期といってもいい。
EVERINGの指輪自体は、Visaのプリペイドカードとしての機能しか持たない。だが、利用には月額プランに加入するか、買い切りでの購入(利用期限4年間)が必要だ。決済アイテムを利用するためにお金を出すのは高いと感じる人もいれば、新しい支払い体験として魅力的に感じる人もいるだろう。
金額のチャージ方法や、ポイントサービスについても見ていこう。チャージ方法は専用アプリでEVERINGアカウントを作成し、クレジットカードからチャージするだけだ。スマホとEVERINGの指輪をつなげる必要はない。
1回あたりのチャージできる金額は3万円、1カ月あたりにチャージできる金額は12万円までだ。オートチャージも利用できる。基本的には、飲食店などでの少額決済を想定したサービスとなる。なお、1つの電話番号につき、1つのEVERINGアカウントしか利用できない。
支払い時のポイントサービスだが、独自の還元やdポイント対応など、支払い自体がお得になるサービスは今のところ用意されていない。クレジットカードからのチャージにポイントがつくかはカード会社による。
支払い時は、EVERINGの指輪をはめた指を曲げて、指輪の円を決済端末のタッチ部分に近づけて認識させる。すると、VISAのクレジットカードとして、EVERINGのアカウントに残額があれば引き落としが完了する。
実際の使い勝手だが、リングの厚み2.9mmという点を除けば使い勝手はいい。一部の店舗ではカードが2枚重なっているなどと表示され使えない場合もあったが、いずれは決済端末側の更新などで解決されるだろう。また、落とした場合もスマホで利用停止できる他、先に利用されてもチャージ額以上は使えないという安心感がある。
EVERINGならではの便利さとして、軽量かつ5気圧防水でランニング中や急な雨でも気軽に決済を利用できる点、NFCを活用したスマートキーでのロック解除が可能な点などがある。
ただ、もっと便利さを享受するには交通機関のように、スマホやクレジットカードを取り出さずに素早く決済したくなる環境が必要だろう。また、EVERINGの仕組みであれば指輪型以外に、子どもに持たせるモデルや、以前ソニーが販売していた既存の時計のバンドをスマート化する「wena」のような製品があってもいいはずだ。今なら、小型/軽量のスマートバンドに取り付ける用途も考えられる。利用領域の拡大と、普及による決済面でのお得さの拡充に期待したい。
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