Pixel 9シリーズで新たに加わった「一緒に写る」も利用できる。ただし、この機能に関しては、半開きで置きっぱなしのまま撮影することができない。撮影者が最初の写真を撮った後、端末を受け渡す必要がなく、シャッターを切るだけで済むと思ったが、期待が外れてしまった格好だ。
一方、フォルダブルスマホならではの機能も複数搭載されている。外側ディスプレイにファインダーの画面を表示して開いた状態で自撮りができる「背面カメラ セルフィー」は、Pixel 9 Pro Foldの特徴の1つだ。同様の機能はGalaxy Z Fold6にもあり、フォルダブルスマホでは一般的だが、Pixelシリーズの中では唯一、アウトカメラで高画質のセルフィーを撮れる。
また、撮影時にキャラクターを表示し、被写体の注意を引く「こっちを見て」という機能も面白い。モトローラの「razr 40 ultra」などにも同様の機能はあり、Pixel独自とまではいえないが、声をかけてもカメラを見てくれない子どもを撮影するときなどに便利。これも、前後にディスプレイが載る構造のフォルダブルスマホならではだ。
カメラに限らず、半開きのまま机などの上に置けるのは、フォルダブルスマホの特徴。Pixel 9 Pro Foldでも、このような使い方は可能だ。筆者が便利だと感じたのは、レコーダーアプリの文字起こし。通常のPixelだと、インタビューなどの際に相手に文字が見えてしまうが、半開きの状態で置けるPixel 9 Pro Foldならその心配がない。角度がつかないため画面も見やすい。筆者は、英語のプレゼンを文字起こししながら、聞き取りにくかったところを文字で確認しているが、そのような使い方がしやすい形状といえる。
Galaxy Z Fold6との比較だと、半開きにした際の画面半分があまり横長になりすぎないこともあり、動画が小さくなりづらい。これは、正方形に近い形状の利点。Galaxy Z Fold6のように縦長だと、半開きした際の上半分がかなり細長くなってしまう。16:9などの画角で作られている映像を見るときの視認性、迫力はPixel 9 Pro Foldに軍配が上がる。
このように見ていくと、初代Pixel Foldのような粗削りな印象は、だいぶ薄まっているように思える。一方で、それが完全になくなったわけではない。冒頭で言及した“アプリの縦横問題”はその1つ。初代Pixel Foldより軽くなったとはいえ、257gという重量もまだまだ削減の余地がある。個人的には薄さよりも細さや軽さを優先したいところで、この点でもGalaxy Z Fold6に及んでいない。ハードウェアについては次機種まで待つしかないものの、ソフトウェアはアップデートで改善できそうなだけに、今後の対応にも期待したい。
(製品協力:グーグル合同会社)
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