総務省は10月2日、情報通信行政・郵政行政審議会に対して、日本の各種電話番号を規定する「電気通信番号計画」の一部変更案を諮問した。本件に伴い、同省は10月3日から11月1日まで、諮問した一部変更案について意見(パブリックコメント)を募集する。
今回の電気通信番号計画の一部変更は、東日本電信電話(NTT東日本)と西日本電信電話(NTT西日本)の加入(固定)電話がIPベースに移行したことに伴い実施される。主な内容は以下の3つだ。
従来、固定電話の事業者間接続はNTT東日本/NTT西日本が各都道府県に設けた「相互接続点(POI)」で行うことを原則としていた。しかし、NTT東日本/NTT西日本の加入電話がIPベースとなったことに伴い、各事業者がIPネットワーク上で相互接続を行うことを原則とすることに改める。
これに伴い問題になるのが電話番号から接続先(通話相手)を特定する方法だが、番号ポータビリティ制度のある以下の電気通信サービスについては、「ENUM(イーナム)方式」に限定されることになった。
固定電話番号の番号ポータビリティーについて、総務省は固定電話事業者に対して2025年1月末までに対応するように求めて来た。しかし、過去の情報通信審議会の答申において、以下のようなケースが見受けられた。
そこで今回の変更では、固定電話番号ポータビリティの義務を“個別に”免除する規定を設ける。免除には一定要件が必要で、総務大臣が認めた場合に限られる。
併せて、付加的役務電話番号のうち「0120」「0800」で始まるものにも番号ポータビリティの原則義務が課せられる。
現状、音声通話に対応する携帯電話には「090」「080」「070」で始まる11桁の電話番号が割り当てられている(※1)。これらのうち、「090」と「080」は割り当てが完了した(空き無しの)状況で、元々はPHS用だった「070」で始まる番号は、2024年度時点で未割り当ての(どの事業者にも使われていない)空き番号が残り約530万個という状況だ。
総務省は従来、音声通話に対応する携帯電話番号の枯渇に備えて「060」で始まる電話番号の利用を保留してきた。今回の変更で、いよいよ「060」で始まる11桁の電話番号を音声通話に対応する携帯電話用として割り当てる。これにより、番号容量(携帯電話に利用できる番号の数)は約3億6000万個になるという。
(※1)データ伝送役務(データ通信)専用の携帯電話回線(M2M回線)には、現在は「020」で始まる11桁または「0200」で始まる14桁の番号を割り当てている
先述の通り、総務省は10月3日から11月1日まで、今回の変更案について意見を募集する。
変更案に関する資料は、全て総務省本庁(中央合同庁舎2号館:東京都千代田区)にある総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 電気通信技術システム課 番号企画室で配布されている。また、総務省の告知サイトや電子政府窓口「e-Govポータル」の「パブリック・コメント」コーナーでもデータをダウンロードできる。
パブリックコメントを提出する場合は「意見公募要領」をよく読んだ上で、以下のいずれかの方法で提出しよう。
(※2)ファイルの添付は不可(添付が必要な場合は電子メールまたは郵送で提出)
(※3)書面でコメントを提出しても構わない。ただし、場合によっては電子データ(テキストファイル、Wordドキュメント、一太郎ファイルのいずれか)での再提出を求められる場合もある(電子データはCD-R/RWかDVD-R/RWに記録して郵送)
(※4)郵送の場合は締め切り日必着となる(締切日以降に到着した場合は受理されない)
パブリックコメントの受付終了後のスケジュールは以下の通りとなる予定だ。
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