世界を変える5G

なぜ、KDDIは通信品質調査でソフトバンクを抜いた? 「ドコモ、楽天モバイルとは異なる戦法」とは

» 2024年10月17日 16時45分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 KDDIが、英Opensignalによる日本のモバイル通信品質の調査レポートで高い評価を得た。全18部門のうち13部門で1位を獲得。国内MNOではKDDIが最多受賞となった。

KDDI 5G Sub6 au、UQ mobile、povoの3ブランドを提供するKDDI
KDDI 5G Sub6 英Opensignalによる通信品質に関する調査レポートで、KDDIは高い評価を獲得した。この結果をネットワーク説明会で解説した、KDDI 執行役員 コア技術統括本部 技術企画本部長 前田大輔氏(画像=右)
KDDI 5G Sub6 全18部門のうち13部門で1位を獲得したKDDI。国内MNOでは最多受賞となった

 英Opensignalによる調査結果で特に着目したいのが、つながった後に動画やゲームを快適に利用できるかどうかを示す「一貫した品質」という項目だ。KDDIは2年連続でトップだったソフトバンクを追い越した点をアピールする。つながりやすさを示す「信頼性エクスペリエンス」という項目でもKDDIはトップとなった。

KDDI 5G Sub6 体感品質に関する調査結果項目でトップの座となったKDDI。左は快適性を表す「一貫した品質」、右はつながりやすさを示す「信頼性エクスペリエンス」

 そもそもKDDIが保有する5GのSub6(3.7GHz帯と4.0GHz帯)の一部は、衛星通信事業者の地球局と干渉してしまう周波数帯だった。KDDI 執行役員 コア技術統括本部 技術企画本部長 前田大輔氏は「衛星との干渉が残っている間、まずは転用周波数の5Gで浸透度の高いエリア、高品質なエリアを作ってきた」と振り返り、「この転用周波数のエリアを専攻させる手法はソフトバンクも同様」と話す。これまでOpensignalによる調査レポートでソフトバンクが高い評価を得ていた理由の1つだそうだ。

 2023年度末には、衛星通信事業者の協力を得て、地球局を移転させた結果、衛星干渉条件が緩和され、2024年4月から5月にかけて、Sub6基地局の出力アップと、アンテナ角度の最適化が可能になり、関東地方を中心にSub6エリアが拡大した。

 KDDIが最もアピールするのは、4G転用周波数による面的な整備を先行するとともに、Sub6の基地局も整備してきた点。「4G転用周波数を利用した5Gがベースにあれば、Sub6の基地局を高密度に打てるため、浸透度の高いSub6を提供できる」と前田氏。これがKDDIの戦法である一方、「NTTドコモと楽天モバイルはSub6から展開し、エリアカバーもSub6に依存してしまう」(前田氏)ことから、「KDDIのような高密度な展開ではなく、薄めのSub6の展開が先行」(前田氏)してしまうという。

KDDI 5G Sub6 4G転用周波数を利用した5Gをベースに、Sub6の基地局を整備してきたことが功を奏したようだ

 その結果、「速度低下や品質劣化に結びつく」と前田氏は分析する。4Gの周波数転用で浸透度が高くなり、それをベースとした広範囲なエリアに加え、“業界最多”をうたうSub6基地局を高密度に展開してきた、KDDIの取り組みが調査会社のレポートで浮き彫りになった形といえる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月27日 更新
  1. 3社そろい踏みの「Starlink Direct」 料金で仕掛けるドコモとソフトバンク、先行するKDDIは“サービス”で差別化 (2026年04月25日)
  2. スマホの「残価設定」にメス? 総務省がルール統一を検討も、Appleは「不当な扱い」と猛反発 (2026年04月25日)
  3. 楽天モバイル、ルーター「Rakuten WiFi Pocket 5G」の販売を一時停止 理由は? (2026年04月24日)
  4. ダイソーで1100円の「USB充電器(PD20W)」は、きちんと20Wで充電できるのか? (2026年04月26日)
  5. Xiaomiの前に、中国スマホの“雄”だったMeizu、またしてもピンチ (2026年04月26日)
  6. ダイソーの1100円「シースルーイヤフォン」に一目ぼれ “音質と個体差”に目をつむれば「あり」な選択肢 (2026年04月23日)
  7. 携帯電話のホッピング問題、「6カ月以内の継続利用を認める」方向で決着か 2026年夏に結論 (2026年04月23日)
  8. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  9. 1.72型ディスプレイ搭載スマートバンド「Xiaomi Smart Band 10」、高精度の睡眠モニタリングも可能 (2026年04月25日)
  10. 5万〜6万円台で買えるおすすめスマホ7選 ハイエンド級性能、防水+おサイフ対応、カメラ重視など多彩 (2026年04月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年