来年のスマホはオンデバイスAI処理がさらに進化――でも、実際にやれることは期待ハズレ?:石川温のスマホ業界新聞

» 2024年11月03日 14時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 今年もアメリカ・ハワイ州マウイ島で開催された「Snapdragon Summit」。去年は「オンデバイスAI時代がやってくる」と、とてもワクワクしたイベントであった。今年はすでにオンデバイスAI対応が進み、「Snapdragon 8 Elite」はOryonが搭載され、処理能力が大幅に向上したというのがニュースであった。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2024年10月26日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 そんななか、クアルコムが「オンデバイスAIでこんな便利なことができる」とアピールしてきたのが「会計時、スマホのカメラをレシートにかざすと合計金額に20%のチップを載せ、3人で割り勘にする」というものであった。

 会場内は結構、盛り上がったような雰囲気であったが、個人的には「オンデバイスAIの活用はそんなレベルで満足して良いのか」とちょっとガッカリであった。

 最近、アメリカのレストランなどで会計しようとすると、すでに15%、20%、25%など、合計額に対してのチップ金額が記載されていたりする。ただ、そんなことをしなくても、なんとなくの20%なんて暗算でできるだろうし、割り勘に関してもザックリとした金額でなんとかなるだろう(割り勘にする際には各人、綺麗な数字にして、余ったのをチップの上乗せするとスムーズ)。

 メディア関係者のなかには「アメリカには九九ができない人もいるから無理はない」と受け入れている人もいたが、やっぱり「この程度の使い方でオンデバイスAIを語るのはいかがなものか」という気がしてならない。

 滞在中のインタビューは、Pixelのボイスメモで録音し、英語なのでGemini-nanoの「要約」機能を使ってみた。実際にキチンと要約してくれるのだが、短くしすぎて「もうちょっといろんなエッセンスを残して欲しいかも」と思ったが、このあたりは、これからも試行錯誤が続きそうだ。

 ちなみに、先週、マイアミでiPhone 16 Pro Maxを購入し、英語設定にしておいてApple Intelligenceが使えるiOS 18.1を入れている。試しにボイスメモを起動し、Snapdragon Summitの基調講演を録音し、その場でテキスト起こしをしてみたが、精度はかなり低かった。そもそも「Snapdragon」という言葉も認識してくれないため、正直言って、使い物にならない。このあたりはやはりGoogleのほうが遥かに先を行っている印象だ。

 オンデバイスAIに対して期待値は高いのだが、「これは使ってみたい」「とても便利だ」というぐらいになるには、もうしばらく時間が必要なのかも知れない。

というか、やはり「オンデバイスとクラウドのハイブリッド」が最も実用性のある活用方法という落とし所になってきそうだ。

© DWANGO Co., Ltd.

アクセストップ10

2026年10月04日 更新
  1. ドコモがほぼ全ての料金プランを値上げ それよりも端末の値上げが気になるこの頃 (2026年10月03日)
  2. KDDIのローミング終了で楽天モバイルはどう変わる? 心もとない700MHz帯、独り立ちのカギは5Gにあり (2026年10月03日)
  3. 「Androidのマイナンバーカード」は10月20日スタート予定 今の「スマホ用電子証明書」と何が違う? (2026年10月02日)
  4. 高市首相がAppleに要請――「自殺防止機能の搭載を」 生成AIへの相談増加を受け (2026年10月03日)
  5. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【2026年10月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年10月03日)
  6. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  7. 「BALMUDA Phone」のサポートがついに終了 バルミューダ初、異色スマホの終幕 (2026年10月01日)
  8. 「Xperia 10 VIII」は部材高騰でも「10万円以下」を死守、新サービス「Fan Sync」でエンタメ体験を拡張 (2026年10月02日)
  9. ドコモが低容量プラン「ドコモ mini2」発表 6GB/12GBの2段階で月額3278円/4598円 (2026年09月25日)
  10. 免許証画像が漏れると何が“ヤバい”のか タイムズカーで最大約660万件の個人情報漏えいで考えられる「3つのリスク」 (2026年09月29日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー