NTTドコモ出身のスタートアップ企業であるSUPERNOVAは生成AIサービス「Stella AI」を提供すると発表した。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2024年11月23日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
現在、普及している生成AIサービスは、ブラウザ上でプロンプトを打ち込むことから始まるが、それでは何を入力すべきなのかがわからず、使う上でハードルが高くなってしまっている。
Stella AIでは1000種類を超えるテンプレートから、ユーザーの目的にあったものを選ぶだけで、最適な回答を導き出すことが可能だという。
利用するAIモデルはGeminiやChatGPT、Claudeに加え、NTTの「tsuzumi」も搭載している。tsuzumiは発表当初、「他のAIモデルのように一般で試せる環境を提供する予定は一切無い」としていたが、方針が変わったのか、大分ブレてきたようで、今回、Stella AIから利用できるようになった。
Stella AIは他のAIモデルを利用するだけあって利用回数に応じた「ライト」「スタンダード」「プレミアム」の3つの料金プランが用意されている。
ここで、SUPERNOVAが抜け目なかったのはNTTドコモと業務提携してきた点だ。NTTドコモでは「eximoポイ活」「eximo」又は「ahamo」を契約しているユーザーがStella AIセット割に申し込むと月額料金相当の毎月最大2728円分が1年間、割引で使えるという施策を用意してきたのだ。
まさにソフトバンクの「パープレ」に追随してきているのだ。
実は今回、この案件は11月22日に開催された「NTT DOCOMO VENTURES DAY 2024」のなかで、なぜか記者会見的に開かれたセッションのなかで披露された話だ。サービス内容のプレゼンまでは「ドコモ発のベンチャーとして頑張っている」というイメージであったが、料金プランのセット割の話になった途端に「上手いこと、やっているな」という目に変わってしまった。
そもそも、SUPERNOVAの社長はNTTドコモ時代、料金プランの企画を担当していたようで、このあたりの立て付けはお手の物ということだろう。
それにしても、2週間前のNTTドコモ決算会見で、前田義晃社長には生成AIサービスに関する質問も出ていた。
そこでは「使いやすくできるサービスの導入の仕方はあると思うので、そういう部分で取り組みを進めていきたい」とコメントしているが、まさかこの文脈がStella AIにつながっているとは思わなかった。
できればもうちょっとわかりやすく「スタートアップに期待している」ぐらいの匂わせ回答をして欲しかったものだ。
今度は是非、このような予め予定されている案件があれば、社長の想定問答集に入れておいて欲しい。
最近は、決算会見の質疑応答で、社長が匂わせつつ、しばらくして正式の発表があり、そこで伏線を回収することが増えたので、前田社長にも是非とも匂わせからの伏線回収する流れを作って欲しいものだ。
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