12月26日からスマホ端末が実質値上げに? 半年間の「お試し割」導入も 総務省が改正ガイドラインを公表

» 2024年12月09日 12時23分 公開
[田中聡ITmedia]

 総務省が12月5日、電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドラインの改正案を公表した。

 電気通信事業法第27条の3では、「通信料金と端末代金の完全分離」や「行きすぎた囲い込みの禁止」を規定している。行きすぎた囲い込みの禁止では、通信サービスの継続利用を条件とする割引を禁止している。例えば回線契約を条件に、端末代金を毎月一定の金額を割り引くといったものが該当する。

6カ月間、2.2万円まで割引可能な「お試し割」を導入可能に

 新ガイドラインでは、6カ月間にわたり、割引額の上限が2万2000円(税込み、以下同)まで、同一の通信キャリアで1回のみなら、継続利用を条件とした割引を認める。いわゆる「お試し割」といわれるもので、ユーザーは6カ月間は、2万2000円までの割引を受けながら通信キャリアのサービスを試すことができる。

電気通信事業法ガイドライン 継続利用をする場合でも、半年間のお試し割を認める

 10月12日から11月11日まで行った意見募集では、このお試し割について、通信サービスの品質に不安を持っているユーザーの不安解消に一定の効果があるという前向きな意見が見られる。その一方で、MNOとMVNOの競争環境へ大きな影響を及ぼす恐れがあることから、最低限の範囲で実施すべきとする意見や、通信料金の割引目当てに回線を次々と乗り換える「ホッピング」が起きることを懸念する声も見られた。

ミリ波対応端末は6万500円まで割引可能に

 端末の値引きについては、回線契約を伴う場合と伴わない場合、どちらも4万4000円までとしている。しかし新ガイドラインでは、ミリ波に対応した端末に限り、6万500円までの割引を認める。なお、端末価格が2万2000円超〜12万1000円の場合は、半額または2万2000円の割引にとどめる。

電気通信事業法ガイドライン ミリ波対応端末はは税込み6万500円まで割引が可能になるが、対応機種は少ない

 意見募集の中で、ミリ波端末の割引については、ミリ波対応端末を利用するユーザーと利用しないユーザーの不公平感につながるという声や、ミリ波を活用したユースケースの創出やインフラ整備促進のための補助金などを検討すべきという声が挙がった。

 なお、2024年4月以降に発売されたミリ波対応端末は、「Galaxy S24 Ultra」「Galaxy Z Fold6」「Xperia 1 VI(キャリアモデル)」「Pixel 9 Pro Fold」にとどまっている。国内のiPhoneはミリ波に対応しておらず、恩恵を受けられるユーザーは限定的といえる。

端末購入プログラムの買い取り予想価格にもメス 大手キャリアが反発

 大手キャリアが実施している端末購入プログラムのベースになっている、買い取り予想価格にもメスが入る。端末購入プログラムでは、1〜2年後に端末を返却すると、残債や残価が免除されるが、免除する金額は、買い取り予想価格から4万4000円を超えてはいけない。

 これまで、買い取り予想価格は各キャリアが独自に考案しており、高額な買い取り予想価格を設定することで大幅な金額免除を可能にしており、例えばソフトバンクは1年で24円、auでは2年で47円という実質価格になる機種もある。しかし新ガイドラインでは、中古市場の業界団体である、リユース・モバイル・ジャパン(RMJ)のWebサイトに公表されている買い取り平均金額を使用することを定めている。

電気通信事業法ガイドライン 端末の買い取り予想金額は、リユース・モバイル・ジャパンのデータを参照することになる

 この案に対してはキャリアから反発の声が挙がっている。KDDIは「RMJが公表する平均買い取り金額に、Cランクの端末は含めず、Sランクの端末を含めることが適当」と意見している。Cランクでは目立つ傷や擦り傷があり、買い取りに出す際に追加料金が発生する恐れがあるため、Cランクを含めることは適切ではないと主張する。もちろん、Cランクを含めることで買い取り予想価格が下がり、残価が安くなってしまう懸念もある。

 ソフトバンクは、「RMJが公表する平均買い取り金額が、一般的な買い取り金額といえるだけのシェアを占めているかが不透明」「中古事業者の買い取り価格がフリマ市場の取引価格よりも安価になっており、利用者利益を損なう可能性があること」といった懸念を示す。同社は、中古市場に占めるフリマのシェアが約30%程度あることに触れ、フリマ市場の取引価格を、端末購入プログラムの買い取り価格として用いるべきとの考えを示した。

Pixel 9 ソフトバンクのPixel 9(128GB)は、1年間で24円という安価な設定だが、これは高額な買い取り予想価格があってこそ。12月26日以降は、こうしたアグレッシブな割引はなくなるかもしれない

 改正されたガイドラインは、2024年12月26日から施行される。26日以降に購入したスマートフォンは、返却した際の実質負担額が割高になる可能性があるため、スマートフォンの購入を検討している人は、12月25日までに購入するのが得策といえる。

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