首都圏の「指定席制列車」「定員制列車」乗車予約方法まとめ “チケットレス”がお得で便利(2/2 ページ)

» 2024年12月18日 10時00分 公開
[岸田法眼ITmedia]
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京成電鉄:チケットレスなら2回まで乗車変更が可能、豊富な支払い方法も特徴

 京成電鉄では、特急の上をゆく“チャンピオン列車”として、〈スカイライナー〉〈モーニングライナー〉〈イブニングライナー〉などが全車指定席で運転され、いずれも乗車日の1カ月前より販売している。列車や駅にもよるが、券売機やスカイライナーカウンター、チケットレスサービス(会員登録が必要)などで取り扱っている。基本的に座席も選択できる他、券売機だと交通系ICカードの支払いも可能だ。

京成電鉄 京成電鉄の2代目AE形

 チケットレスサービスのメリットが2つあり、1つ目は乗車変更が2回まで可能なこと。駅などで購入した紙のライナー券は1回までである。ただし、当該列車が発車した後は乗車変更や払い戻しができない。

 2つ目はクレジットカード、楽天ペイ、リクルートかんたん支払い、Yahoo! ウォレットで決済できること。鉄道で各種ID決済サービスが利用できるのは珍しいものと思われる。

 現代では珍しい電話による予約(TEL:0570−081−160、9時から18時まで)も可能。乗車日の10日前まで予約した場合は予約日から8日以内、乗車日の2〜9日前に予約した場合は乗車日の2日前までに、京成上野駅ライナー券発売窓口にて、9時から18時まで引き替える。

京成電鉄 京成電鉄はチケットレス、窓口、電話から乗車予約ができる(画像は京成電鉄のWebサイトより)

 近年は回数券の廃止が相次いでいるが、京成電鉄は健在で〈スカイライナー〉用のライナー回数券を大人1万3000円で発売。11枚つづりで、発売日から3カ月間有効である。なお、子供用はない。

 “定期券感覚”の1カ月券、モーニングPASS、イブニングPASSは、〈モーニングライナー〉〈イブニングライナー〉の指定された座席を利用するもので、毎月25日(3月乗車分の場合は2月23日)から月末まで、翌月乗車分を発売する。大人料金は京成上野―八千代台間8150円、京成上野―京成佐倉以遠間は1万円で、子供用はない。

 京成電鉄のライナーで番外編といえる列車が2つある。

 1つ目は、印旛日本医大7時00分発、京成上野行きの〈臨時ライナー〉(平日のみ運転)で、1・2号車のみ客扱いをする定員制列車と位置付けている。京成電鉄は「ライナー券」ではなく、「特急券」と称しており、車内で支払う。

 2つ目は年末年始に京成上野―京成成田間で運転される臨時〈シティライナー〉。この時期しか運転されないので、「京成時刻表」にも掲載されていない。

京浜急行電鉄:平日の通勤ライナーは2種類 現金かオンラインで購入

 快特の上をゆく“チャンピオン列車”として、平日の通勤ライナー〈モーニング・ウィング〉(上りのみ運転)、〈イブニング・ウィング〉(下りのみ運転)は全車指定席で運転。土休の快特(一部列車)は2号車を指定席としており、ウィング・シートの名称で営業している。いずれも現金購入とWebのKQuickで購入できる。

京浜急行電鉄 京浜急行電鉄の2代目1000形1890番台Le Ciel

 〈モーニング・ウィング〉〈イブニング・ウィング〉の座席指定券300円は「Wing Ticket」と称し、発売の方法がややこしい。

 〈モーニング・ウィング〉を乗車駅の券売機で購入する場合、前売りは乗車6日前の5時30分から前日の21時59分まで、当日は5時30分から発車1分前までで、座席の選択はできない。

 KQuickは乗車6日前の4時30分から、当日の発車1分前まで発売され、座席の選択ができる。ただし、0時00分から4時29分までは購入ができない。

 “定期券感覚”の1カ月券、Wing Pass(5500円)は、券売機、KQuickのどちらでも購入でき、乗車駅により発売枚数が異なる。KQuickは座席が選択できるのに対し、券売機はできない。

 〈イブニング・ウィング〉を乗車駅の券売機で購入する場合、乗車当日の5時30分から発車2分前まで、KQuickは乗車当日の4時30分から発車1分前まで。Wing Passは扱っていない。

 快特(一部列車)のウィング・シートは現金購入だと車内で500円、座席の選択もできない。一方、KQuickは乗車8日前の4時30分から当日の発車1分前まで発売(0時00分から4時29分まで発売不可)。料金は300円で、座席の選択もできる。

 KQuickのメリットは、急用などで当該列車に乗車できない場合、発車5分前までの1回に限り、変更できること。デメリットは払い戻す場合、発車5分前までに済ませなければならない。券売機の場合、払い戻しは「発車時刻前に限り」と明言しており、“発車1分前まででよい”と解釈できる。

KQuick オンラインで乗車予約ができる「KQuick」(画像はKQuickのWebサイトより)

京王電鉄:京王チケットレスサービスが便利 PayPayでも購入できる

 特急の上をゆく“チャンピオン列車”として、〈京王ライナー〉〈Mt.TAKAO号〉があり、座席指定券は券売機とWebの両方で発売されており、差をつけている。

 まずは券売機。基本的に当日乗車分のみ、下りは発車1〜5分前、上りは発車3分前(京王八王子駅西口のみ1分前)まで発売しており、現金もしくは交通系ICカードで購入できる。ただし、座席の選択はできず、回転式クロスシート(車両によってはリクライニングシート)、ロングシートのどちらになるのかは、乗ってみないことには分からない。

 一方、Webだと京王チケットレスサービスに会員登録すると購入できる。クレジットカードの他、PayPayでの決済も可能だ。座席指定券は乗車7日前の7時から発売、座席も選択できる。

 さらにクレジット機能がついた京王パスポートカードに登録すると、座席指定券は乗車7日前の6時から発売、ポイントの決済や加算ができる特典もある(PayPayでの決済は対象外)。

 意外なことに車端部のロングシートを選択する乗客がおり、多少足を伸ばせること、着座幅が505ミリという広さがポイントのようだ。

京王電鉄 Webサイトで乗車予約をする流れ(画像は京王電鉄のWebサイトより)

東急電鉄:オンライン予約を推進

 大井町線、東横線の急行に有料座席指定サービス、Qシートが連結されており、急行停車駅の窓口(大井町線は改札窓口)で発売されている。支払いは現金のみ。また、指定席用の券売機もない。

 WebではQシートチケットレスサービスがあり、会員登録すれば購入できる。支払いはクレジットカードのみ。座席の選択は任意となっている。

 京王電鉄と同様、着座幅505ミリのロングシートを選択する乗客もおり、“ハズレ席”や“穴場の席”でもないようだ。

東急電鉄 東急電鉄の5050系4000番台Qシート連結車
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