SNSの課題として、過大な広告表示、収益目的に投稿の表示回数を稼ぐインプレゾンビ、特定の投稿やユーザーに対する荒らしや誹謗中傷などがある。mixi2では、こうした課題に対してどう向き合っていくのだろうか。
MIXIは「まだ広告掲載も、ユーザーがお金を稼げる仕組みもない(今後の開発計画の話になる)ためコメントを控えますが、これらは今後われわれも長期にわたって向き合うべき課題であると考えています」とコメント。
荒らしや誹謗中傷については「昨今の巨大SNSは、数億人のユーザーがいる巨大なネットワーク上からレコメンドアルゴリズムによる情報選別を行うのが一般的ですが、これが、誹謗中傷や誰に受け取られ、どんな反応をされるか分からないいリスクを生んでいると考えています」との見解を示す。
その上でmixi2は、「小さなユーザーネットワーク」を目指しているという。「ユーザーの皆さまがコミュニティなどで近い感覚を持った人と小さな集まりを作り、自治を行っていく構造があるため、相対的に本問題が起きづらくなっていると考えています」
不特定多数のユーザーが集まる巨大SNSに対して、mixi2では属性が近い人たちの小規模なネットワークが形成されるため、SNS上のトラブルは相対的に起きづらいという考えだ。
筆者の周囲で特に聞く要望が、ブラウザ版が欲しいというもの。mixi2では現在、iOSとAndroidのアプリでしか利用できず、PCでは利用できない。ブラウザで利用できればPCからも閲覧や投稿が可能になるが、PC版やブラウザ版についても「未定」とのこと。
mixiのメインコンテンツは「日記」であり、誰が自分のページを訪れたかが分かる「足あと」が特徴的な機能だった。mixi2には日記の機能はなく、ユーザーが1回の投稿で入力きるのは149.3文字まで。誰がどんなリアクションをしたのかは通知から分かるが、足あと機能もない。
この点については「mixi2のコンセプトと時代性を鑑みて仕様検討を行っているため、結果的に仕様が異なる形式に落ち着いただけだと考えています」とコメント。
ただ、mixi2でも「20年以上愛されてきたmixiとユーザーの皆さまの思いを大切にしている」ことから、近い仕掛けは用意している。
足あとについては、リアクションの部分に隠し要素として足あとの演出を用意した。日記については、「投稿権限を管理者のみに設定したコミュニティ」を作成することで、日記のような利用もできるとのこと。
SNSでは、他人にIDやパスワードが流出して、乗っ取りの被害に遭うリスクもある。mixi2のアカウントは、メールアドレスを登録して、そのアドレスあてに送られてきた認証コードを使って登録する。メールアドレスへのアクセス方法が流出しない限り、乗っ取りに遭うことは考えにくいが、そのメールアドレスのセキュリティ対策が甘いと、そのリスクが増す。例えばGmailのアドレスを登録している場合、Googleアカウントが乗っ取られないよう注意する必要がある。
より強固なセキュリティ対策を行うには、SMSやワンタイムパスワードなどを用いた2段階認証、生体認証を用いたパスキーなどの導入が望まれる。こうした機能については「検討しています」とのこと。
mixi2が始まったことで、初代mixiがどうなるのか、気になる人もいるだろう。
「mixi2とmixiはコンセプトの異なるSNSであり、互換性はありません。それぞれのサービスが持つ良さがあることから、並行した運用を決定しています」とのこと。2つは別のサービスとして、今後も併存していくようだ。
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