ハードウェアとソフトウェアの両面でiPhoneを意識したvivo X200 Pro mini。そのデザインだけでなく、iPhoneやGalaxyを思わせるカラーバリエーションにも注目したい。vivo X200 Pro miniの競合となるのは、中国メーカーの他機種ではなく、サイズ感やカラーリングの面からもiPhoneやGalaxyであることが明白だ。
vivo X200 Pro miniのカラーバリエーションは、定番のブラックやホワイトに加え、パステル調のグリーンと、今回レビューしたピンクの全4色。特に、ハイエンドモデルでパステルカラーを採用するのはvivoでは珍しく、vivoにはあまりない路線といえる。
これは、iPhoneやGalaxyを強く意識していることの表れであり、発表会の演出からもAppleに寄せている印象を受けた。どちらかといえば、vivoはX200 Pro miniを中国メーカーの他機種からシェアを奪うためではなく、iPhoneユーザーの乗り換え先としてアピールしている形だ。
このように、vivo X200 Pro miniは、iPhoneやGalaxyと同等のサイズ感やデザイン性を持ちながら、「最新プロセッサ」「大容量バッテリー」「高性能カメラ」といった特徴で差別化を図っている。露骨ともいえるほどデザインや機能を寄せてきた一方で、その完成度の高さから、いい意味で「iPhoneを超えた中国版iPhone」と評価したい。
それでいながら、価格は非常にお手頃だ。例えば、Galaxy S24が799米ドル(約12万円)、上位モデルのS24+が999米ドル(約15万円)であるのに対し、vivo X200 Pro miniは4699元(約9万7000円)から、さらに上位モデルのvivo X200 Proでも5299元(約11万1000円)と、競合機種より抑えた価格設定が魅力的だ。799米ドル(約12万6000円)からのiPhone 16と比較しても、vivo X200 Pro miniのコストパフォーマンスの高さは際立っている。
今回、vivo X200 Pro miniの実機に触れたら、vivoのスマートフォンの展開にいっそう目が離せなくなった。vivoが、これまでよりもコンパクトなスマートフォンを市場に投入したことで、中国市場にも新たな旋風を巻き起こせたと感じる。グローバルで展開されていない点は惜しいが、今後の展開次第ではXiaomi 15と同様に注目を集めそうだ。
なお、日本国内でも6.3型クラスのディスプレイサイズのハイエンドスマートフォンを求める声が多くあり、SNSではマニア層を中心に関心度も高い。vivoの新たな切り札であるvivo X200 Pro miniに触れたからこそ、今後のスマートフォン市場におけるvivoの展開手法にも期待が膨らむ。
佐藤颯
生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。
スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。
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