vivoの「X90」はカールツァイス仕込みのカメラスマホ X90 Proは1型センサー搭載山根康宏の海外モバイル探訪記

» 2022年12月29日 12時00分 公開
[山根康宏ITmedia]

 シャープの「AQUOS R7」、そして中国で発売中のXiaomiの「Xiaomi 12S Ultra」など、カメラでライカと協業したスマートフォンが増えています。そのライカも自ら「Leitz Phone 2」をリリースしました。スマートフォンのカメラ性能が著しく向上した今、写真の表現力をさらに高めるためにはカメラメーカーの長年のノウハウが必要とされているわけです。その動きは他のメーカーにも進んでおり、カールツァイスはノキア(HMD Global)、ソニー、そしてvivoと協業を行っています。そのvivoから2022年11月に「X90」が発売されました。

vivo X90 ZEISSのロゴが目立つ「vivo X90」

 vivoとカールツァイスの協業は2020年に始まり、2021年発売の「X60」からZEISSのロゴを背面に入れています。その後、Xシリーズは半年ごとにモデルチェンジを繰り返し、今回の最新モデルとしてX90が登場しました。

vivo X90 vivo独自の最新OS、OriginOS 3を搭載している

 カメラは円形の台座にまとめ、どことなくデジタルカメラ風のデザインとなっています。カメラ性能は5000万画素+1200万画素(超広角)+1200万画素(2倍望遠)。なお上位モデルも2機種あり「X90 Pro」は5300万画素+1200万画素(超広角)+5000万画素(2倍望遠)、「X90 Pro+」は5300万画素+4800万画素(超広角)+5000万画素(2倍望遠)+6400万画素(3.5倍望遠)です。

 さらにX90 ProとX90 Pro+のメインカメラは1型センサー搭載と、最上位クラスのカメラフォンなのです。とはいえ、性能が高いX90 Pro+は価格も高く6499元(約12万7000円)。一方、X90は3999元(約7万8000円)からと、買いやすい価格になっています。

vivo X90 円形台座のカメラ風デザイン

 なお、背面仕上げはブルーに加え、ビーガンレザーを使った本革風の赤と黒の革張りモデルもあります。またブルーモデルがあるのはX90のみで、X90 ProとX90 Pro+はビーガンレザーの赤、黒モデルのみになります。

vivo X90 ビーガンレザーモデルは高級感がある

 プロセッサはMediaTekのDimensity 9200。X90 Proも同等で、最上位モデルのX90 Pro+はQualcommのSnapdragon 8 Gen 2を搭載しています。どちらもかなりのハイスペックなので、カメラの操作を含めて全体のパフォーマンスに不満が出ることはありません。

vivo X90 プロセッサはDimensity 9200を搭載

 X90のカメラを起動すると、画面上部に「ZEISS」ロゴが見えます。ここをタップするとツァイスのナチュラルカラーモードのオンとオフを切り替えられるのです。つまり写真の仕上げをツァイス風にするかどうかをワンタッチで選べるというわけ。AIを駆使したコンピュテーショナルフォトグラフィーで最高に映える写真を写せるだけではなく、さらにツァイスのテイストを加えた写りも選べるわけです。

vivo X90 カメラを起動。上部に「ZEISS」アイコンが見える

 また、その他のモードを見ると、ここにもツァイスの効果が用意されています。ミニチュア風写真やゆがみ補正など、ツァイスのレンズ技術をデジタルで再現してくれます。なお、ポートレートモードでもツァイスの歴代レンズ6機種のボケを再現するなど、カメラのエフェクトとしてツァイスの技術があちこちに使われています。

vivo X90 その他モードにもツァイスエフェクトを用意
vivo X90 超広角撮影時のゆがみを補正してくれる

 X90はvivoが開発したV2チップを搭載しているのも特徴です。プロセッサの画像処理エンジンを使わず、V2チップにより高度な画像・ビデオ処理が行われます。また、V90とV90 Pro+ではプロセッサが異なりますが、画像処理は同じV2チップを使うため色の仕上がりなども同等になります。画像周りの独自チップはOPPOも開発しており、中国のスマートフォンメーカーはカメラ性能を差別化するためにこの分野の開発に力を入れています。

vivo X90 独自開発したV2チップを搭載

 ところで、最近のスマートフォンは写真を撮影した際に機種名や日付などを画面下に写し込むウオーターマーク機能も備えています。X90のカメラは画面からすぐに呼び出せるクイック設定でそのウオーターマークのオンとオフをワンタッチで切り替えられるのが便利です。

vivo X90 ウオーターマークのオンとオフも簡単にできる

 vivoは日本に参入していないことから、どのような特徴のあるメーカーなのかあまり知られていませんが、Xシリーズのカメラ性能は業界でもトップクラスです。しかも独自チップの開発や、カメラ風の本体仕上げを行うなどカメラフォンとしても優れた製品を送り出しています。いつの日か、この最高クラスのカメラを日本でも使える日がやってきてほしいものです。

vivo X90 vivoのカメラフォンの性能はトップクラスだ

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