ただ、1つ上位にあたるiPhone 16との価格差が2万5000円となると判断が難しくなってくる。Appleの比較サイトで詳細を見比べられるが、少し金額を足せば豊富なカラーバリエーションにカメラコントロール、1200万画素の超広角レンズを足したデュアルカメラ、マクロ撮影、空間写真と空間ビデオの撮影、Dynamic Island、MagSafeと最大25Wのワイヤレス充電──といった機能が付いてくるから悩ましい(バッテリー駆動時間は最大22時間と短くなってしまうが)。
一方で、こうした付加価値的な機能が不要で、価格が最重要だと考える人々もいる。iPhoneということ以外にこだわりがなく、電話とテキストメッセージが使えれば十分で、待ち受けがメインのような使い方だ。むしろ大多数かもしれない。会社で支給するような用途もあるだろう。
そうした層は、少しお金を出してiPhone 16を選ぶメリットやモチベーションは少なく、かといってiPhone 16eは高いと感じるというジレンマに陥ることになる。そしてiPhone SEはディスコンでこれから選ぶのは難しい──。安さを追い求める人にとっては高く、限られた予算の中でなるべく良いものを求める人には他の上位モデルに後ろ髪引かれるという、なんともどっち付かずな状況だ。
それでもiPhone 16eを積極的に選びたくなるような魅力の理解促進には時間がかかる。Apple Intelligenceの機能性も、4月初旬の日本語対応前では不透明な状況だろう。
さらに廉価モデルの製品サイクルも気になるところだ。これまでのiPhone SEは、主力製品とは別軸で世代を重ねてきた。しかし、今回のiPhone 16eというネーミングからすると、今後は毎年9月の新型iPhoneが登場してから、その翌年2月に廉価版のeが登場するようになるかもしれない。
こうした製品サイクルは、GoogleのPixelシリーズに似ている。同シリーズも主力製品が出て半年後に、廉価モデルのaシリーズが登場する。従来のiPhone SEシリーズが2〜3年おきに登場する製品サイクルだったので、こうした状況から、また製品の立ち位置がこれまでとは異なるようになる可能性もありそうだ。
さまざまな要因はあるが「廉価モデルが廉価ではなくなってしまった」と感じている人が多いだろう。これを機に“脱iPhone”が進むのか、何だかんだでiPhone 16eが受け入れられるのか、見ものだ。
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