実質約2万円、破格の縦折りスマホ「nubia Flip 2」を試す “閉じたまま操作”しやすく先代からの進化を実感（1/3 ページ）

[金子麟太郎，ITmedia]

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　ZTEジャパンが2025年1月14日に発表した「nubia Flip 2」は、縦折りタイプのスマートフォンだ。国内MNOではソフトバンクがY!mobileで独占販売し、スマートフォンが高額になる中で、破格ともいえる価格で発売した。

サブディスプレイ側から見る「nubia Flip 2」

nubia Flip 2は縦方向に開いたり閉じたりできる折りたたみスマートフォンだ

　Y!mobileオンラインストアにおける一括価格は8万5680円（税込み、以下同）だが、新規契約またはMNPで契約して料金プラン「シンプル2 M／L 」に加入すると、2万1600円引きの6万4080円で入手できる。さらに、「新トクするサポート（A）」を適用すれば、1〜24回の支払い総額が1万9680円（820円×24回）になる。

nubia Flip 2は通常8万5680円のところ、新トクするサポート（A）の利用で、1万9680円で利用できる

Y!mobileオンラインストアで詳細をチェック

そもそもZTEのnubiaとは？　前作のLiberoブランドの採用はなし

　nubia Flip 2と聞いても、ほとんどの人はピンとこないはずなので、ZTEのnubiaブランドについて少しおさらいする。

　nubia Flip 2はZTEジャパンが3月14日に投入した「nubia Flip」の後継機に相当する。ただ、nubia FlipはソフトバンクがY!mobileで2月29日に発売した「Libero Flip」をベースに設計されており、ZTEジャパンが後からオープンマーケット向けに投入した製品だった。

　nubiaはZTEが立ち上げたブランドではあるが、海外では2012年にZTEの子会社、Nubia Technologyとして独立。グローバルでスマートフォンを展開している。ブランドのコンセプトは、「Be Yourself（自分らしく）」となっており、個性に欠けている昨今のスマートフォンに新しい新しい息吹をもたらす、そんなことを目指すブランドだ。

ZTEが2012年10月31日に設立したnubia。「Be Yourself（自分らしく）」をコンセプトとしたブランドだ。画像はnubiaのサイトより引用

　ZTEジャパンでは、ブランド認知の向上に向けて、イメージキャラクターに俳優の山崎賢人さんを起用。Y!mobile独占販売とはいえ、ブランドがnubiaとLiberoの2つに分かれるよりも1つに統一した方がユーザーに伝わりやすく、ブランド認知向上につながると考えたのだろう。

nubiaブランドの認知向上に向け、イメージキャラクターに俳優の山崎賢人さんを起用したZTEジャパン

本体を開かずにアプリをサブディスプレイに表示、PayPayの一発起動も便利

　まずはnubia Flip 2最大の特徴を見ていこう。

　nubia Flipでは丸形だったサブディスプレイがnubia Flip 2では長方形になったことで、さまざまなアプリを表示できるようになった。丸形のサブディスプレイも、時刻やカメラプレビューの表示に利用でき、ユニークさがあったが、PayPayなどのアプリ表示には非対応だった。

丸形のサブディスプレイを採用した「nubia Flip」。できることとしては、時刻やカメラプレビューの表示程度だった

　縦長のサブディスプレイを搭載するnubia Flip 2では、本体を開かずにPayPayのコードをサブディスプレイに表示できるため、閉じた状態でも決済できる。

サブディスプレイが縦長になったnubia Flip 2。本体を開かずにPayPayを起動し、コードを表示して決済できる

　手順としては、まず閉じた状態から生体認証（顔か指紋）でロックを解除。次に、ディスプレイを下から上に向かってスワイプすれば、ホーム画面にたどり着け、最後にPayPayを起動してコードを表示する。

　nubia Flip 2を使っていて特に便利だと感じたのが、アプリの一発起動ができる点だ。設定アプリ→「サブディスプレイ」→「アプリのダイレクト起動」の順に進み、PayPayを設定しておけば、サブディスプレイが消灯していても音量ボタンを素早く2回押すだけでPayPayを即時起動できる。

設定アプリ→「サブディスプレイ」→「アプリのダイレクト起動」の順に進み、PayPayを設定しておけば、音量ボタンを素早く2回押すだけでPayPayをすぐに起動できる

nubia Flip 2の音量ボタン

　試しに、顔認証を設定した上で、アプリのダイレクト起動という機能を設定してみたところ、音量ボタンの2度押しだけですぐに顔認証が行われ、PayPayを起動できた。ロック解除の後にスワイプとアプリ起動の手間を省けるため、人が列に並ぶレジ前で、わざわざ本体を開いてPayPayを探して、コードを表示して……という煩わしさはない。

　このサブディスプレイで使えるアプリとしては、PayPayの他に、カメラ、電話、天気、Google カレンダー、アラーム、タイマー、レコーダー、電卓、メッセージ、あんしんフィルター、Y!mobileメールがプリセットされている。ただし、好きなアプリをサブディスプレイで表示できるように後から追加できる。

　サブディスプレイで使用できるアプリを追加するには、設定アプリ→「サブディスプレイ」→「サブディスプレイアプリ」の順に操作し、「体験アプリ」の項目から追加したいアプリを選ぶだけでいい。

「体験アプリ」という項目から、追加したいアプリを選ぶと、サブディスプレイで使用できるアプリを追加できる

　例えば、Yahoo! JAPAN公式アプリではYahoo!ニュースのトピックスをスクロールしやすいし、Xのような縦方向に情報が流れるアプリの場合、一度に多くの情報を表示できないが、片手でスクロール操作しやすい。

Yahoo! JAPAN公式アプリをサブディスプレイに表示させた様子

サブディスプレイには、Xのような縦方向に情報が流れるアプリの場合、一度に多くの情報を表示できないが、Xの投稿も片手でスクロールしやすい

　YouTubeの再生も可能で、インナーディスプレイで扱えるYouTubeアプリをそのままサブディスプレイで操作できるイメージだ。ただ、サブディスプレイがインナーディスプレイよりも小さい分、サブディスプレイでは再生位置のバーをタップしづらく、調整しづらい。

YouTubeアプリを表示させた様子。動画だけでなく概要欄やコメントも確認できた

YouTube動画の再生時には、再生／一時停止のアイコンを含め、インナーディスプレイと同じように使えるが、アイコンや再生位置の調整を行うバーが小さく、タップしづらい

　ただ、文字のサイズやアプリアイコンのサイズは変更できないため、人によっては見づらいだろう。また、戻る／ホーム／タスクといったAndroidスマートフォンではおなじみのボタンは表示されず、最初はどのように操作すれば1つ前の画面に戻れるのかが分からなかったが、画面縁の左から右へスワイプすれば1つ前の画面に戻れ、下から上へスワイプすればホーム画面に戻れた。慣れていけば問題はないが、初心者は戸惑う点だ。

サブディスプレイには、戻る／ホーム／タスクといったAndroidスマートフォンではおなじみのボタンは表示されず、画面縁の左から右へスワイプして1つ前の画面に戻るしかない

　開いた状態で使用できるインナーディスプレイは、約6.9型の有機EL（1188×2790ピクセル）を搭載。黒色を基調としたダークモード、白黒で表示する読書モード、画面が黄色みがかり、ブルーライトを低減する夜間モードも利用できる。

黒色を基調としたダークモードは、ディスプレイの設定から有効にできる

読書モードも同様だ

　スマートフォン初心者の人や、複雑な操作が苦手な人に向けて、文字やアイコンを大きく表示し、よく使う機能だけを分かりやすく配置することで、簡単に操作できるようにするシンプルなホーム画面も利用できる。

インナーディスプレイは、約6.9型の有機ELを搭載している。完全にフラットではないが、折り目は屋外でも目立ちづらく、文字やアイコン、画像を視認できる