スマートフォンやタブレット、PCの充電に「USBケーブル」を使っているという人も多いと思います。いわゆる「100円ショップ」で売っている税込み110円のケーブルもあれば、家電量販店やECサイトを見ると数千円もするケーブルもあります。率直にいって「安いUSBケーブルと高いUSBケーブルの違いが分からない」という人もいると思います。
価格の高いUSBケーブルには、高い理由がきちんとある……のですが、安い/高いに関わらず、適切なUSBケーブルを買うためにはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
まず、つなげる機器が使っているUSB端子(コネクター)の形状を確認してください。端子の形状は大まかに分けると以下の3種類があります。
これらの端子は、データ通信速度によって内部のピン(と配線)の数が異なりますが、USB Standard-A(Type-A)/Type-C端子は外観からデータ通信速度を見分けるのが困難です。見分け方については、次のポイントで併せて紹介します。
ホスト機器用のUSB Type-A端子は、事実上標準サイズの「USB Standard-A」のみ存在すると考えてよいです。写真はUSB 3.2 Gen 1 Standard-A端子ですが、USB 2.0 Standard-A端子よりも接点数が多くなっています(USB 2.0 Standard-A対応機器もつなげられます)
ゲスト機器用のUSB Type-B端子は、標準サイズ(左)、Miniサイズ(中央)、Microサイズ(右)の3種類が用意されています。写真はいずれもUSB 2.0規格のもので、USB 3.2 Gen 1/Gen 2用の端子は追加の信号線を用意するために形状が異なります
USB Type-C端子はホスト/ゲスト共通の形状で、裏表がありません。写真はThunderbolt 4(USB4 Gen 3x2)端子ですが、USB Type-A/Bと比べると端子形状から通信スピードを見分けることは困難です次に、つなげる機器が対応しているUSB端子のデータ転送速度をチェックしてください。速度の規格は以下の通りです(USB 2.0よりも過去の規格と、USB 3.2 Gen 1x2は割愛しています)。
基本的には「USB 2.0まで」「USB 3.x」「USB4」で区分すれば大きな問題にはなりませんが、正規のUSB機器/USBケーブルには規格に応じたラベルが付いているので、それを頼りにケーブルを選ぶことをお勧めします。ただし、高速な通信に対応するケーブルほど高価になります。
なお、USBのデータ通信速度は原則として遅い機器/ケーブルに合わせられます。例えばUSB 3.2 Gen 2x2対応機器同士でも、USB 2.0規格のケーブルを使うと通信速度はUSB 2.0相当です。逆に、USB 2.0対応機器同士をUSB4 Gen 3x2ケーブルでつないでも、通信速度はUSB 2.0規格相当に制限されます。
USBデバイスやUSBケーブルが対応している通信速度は、付与されているロゴによって見分けが付きます。USB Standard-A端子/コネクターの場合は、内部が青色で塗装されていたらUSB 3.2 Gen 1またはUSB Gen 2対応と判断できます……が、デザイン面の都合で青く塗装していないケースもあるので気を付けてください。
最新のUSB規格では、USB 3.1 Gen 1以降の規格において対応する最大通信速度を印字するように推奨しています。USB 5GbpsはUSB 3.2 Gen 1、USB 10GbpsはUSB 3.2 Gen 2、USB 20GbpsはUSB 3.2 Gen 2x2またはUSB4 Gen 3x1、USB 40GbpsについてはUSB4 Gen 3x2を意味します
Windows PCやMacにおいて雷が付いているUSB Type-C端子は「Thunderbolt 3」端子または「Thunderbolt 4」端子となります。要件上、いずれの端子もUSB4 Gen 3x2/USB 3.2 Gen 2相当の通信は行えますCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.