Opensignalの調査レポートでauが17部門中11部門でトップ獲得――NTTドコモが1位獲得を宣言していた「一貫した品質部門」が消えた石川温のスマホ業界新聞

» 2025年05月04日 11時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 Opensignalが、半期に1度出している国内キャリア評価レポートを発表した。今回もauの圧勝で17部門中11部門でトップを獲った。ちなみに前回のレポートでは18部門中13部門でトップとなっていた。

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この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2025年4月26日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 ここで気になるのが、1つ部門が減っているという点だ。この減っているのは「一貫した品質」という部門で、Opensignalによれば、調査期間中にiOSのアップデートがかかり、調査するのが難しくなったとのことだ。今後、この部門は復活するという。

 ただ、日本市場においてはこの「一貫した品質」は今回、最重要ともいえる部門であった。NTTドコモの前田義晃社長が昨年6月に開催された社長就任会見で「2024年度末までにOpensignalでナンバーワンを目指す」をハッキリと約束していたのだった。しかも、このナンバーワンを獲ると公言していたのが「一貫した品質部門」だったのだ。

 今回、「一貫した品質部門」でNTTドコモがナンバーワンを獲得できたのかに注目が集まりかけたが、まさか部門がまるごと消滅するとは思いも寄らなかった。

 まさにNTTドコモとしては首の皮一枚、つながったことになる。

 ただ、昨年6月の段階で、NTTドコモがOpensignalの「一貫した品質」において1位を獲れるなんて、誰一人とも信じていない。仮に今度の10月に獲れなくても文句が出ることはないだろう。

 今回、新料金プランの発表により「irumo」が消滅した。irumoには0.5GBプランが存在し、0.5GBを超え、通信制限がかかった状態でも使っていたユーザーがいたと思われる。そうしたユーザーがOpensignalの調査対象となれば、ユーザー体感品質を落とすことになる。

 今回、irumoがなくなったことで、将来的にはNTTドコモユーザーの体感は上がっていくだろう。また、Opensignalでは「NTTドコモでは3Gも含まれている」とわざわざ明記されている。当然、3Gにつながっているユーザーがいれば、それだけ品質は落ちる。NTTドコモの3G停波は2026年3月末であり、あと1年は辛抱しなければならない。

 ソフトバンクも宮川潤一社長が技術陣の尻を叩いているというが、結果は芳しくない。Sub6の2枠目の運用も2030年からとかなり先だ。

 そう考えると、auの優位はしばらく続くことになりそうだ。

© DWANGO Co., Ltd.

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