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JR西日本の決済サービス「Wesmo!」5月28日開始 ICOCAやJ-WESTカードにないメリットとは?(1/2 ページ)

» 2025年05月14日 22時38分 公開
[小山安博ITmedia]

 JR西日本は5月14日、新たな決済サービス「Wesmo!」を5月28日に開始すると発表した。QRコード決済に対応し、クレジットカードのJ-WESTカード、交通系ICのICOCAと組み合わせた決済サービスとして、5年後には利用者300万人を目指す。また、カードとICOCAをあわせたキャッシュレス決済として、取扱高1兆円を目指すサービスにしていきたい考えだ。

Wesmo! 5月28日からJR西日本の新しい決済サービス「Wesmo!」を提供する

 Wesmo!は、QRコード決済や特別な「BLUEタグ」を用いたタッチ決済で支払いを行う新しい決済サービス。JR西日本が1月に第二種資金移動業に登録され、これまでサービス開始の準備を進めてきた。

 第二種資金移動業は、100万円までの送金が可能な資金移動業で、ICOCAのような電子マネーは前払式支払手段発行業として位置付けられる。同社はこのWesmo!に向けて、国内鉄道事業者としては初めて資金移動業者となり、「送金」を伴う決済サービスの構築が可能になった。

Wesmo! Wesmo!の決済画面

160万箇所でサービス開始 キャッシュレス決済の「重荷」解放へ

 Wesmo!では、日常生活の買い物や食事、電車の移動といった動きを活性化させて、地域の経済活性化も目指すというコンセプトで開発された。

 JR西日本圏内を中心に、全国にサービスを拡大したい考えだが、まずはJR西日本グループのほぼ全ての商業施設、JR西日本のネット予約「e5489」、Smart Code加盟店で利用ができる。Smart Code加盟店は全国にあり、2025年1月には150万カ所を超えたとされていて、これを含めて160万カ所でのサービス開始となる。

Wesmo! Wesmo!が使えるのは、JR西日本グループの施設に加え、全国のSmart Code加盟店など

 この中には、「BLUEタグ」を設置した店舗も含まれる。これは、店頭に設置したNFCタグをタッチすることでWesmo!から決済が行える仕組みで、店舗はタグを設置するだけで決済が可能になるため、気軽にWesmo!対応できる。

 この背景には、キャッシュレス決済に関する「重荷」があると同社は説明する。キャッシュレス決済対応に関する端末費用や手数料の負担に対しては、タグだけで対応できるため機器コストが不要で、さらに手数料も1.9%を実現した。これは、有料プラン未加入時で1.98%というPayPayの手数料率を参考にしたそうで、より安価な手数料を実現した。

Wesmo! 特に中小店舗ではキャッシュレス決済に関する課題があり、さらに現代日本の社会課題も重荷になっている

 さらに、キャッシュレス決済だと入金が翌月になるサービスも多いことから、資金繰りに影響するという店舗も多い。そうした課題に対しては、資金移動業であることを生かして、最短翌日に加盟店アカウントにWesmo!残高として入金できるようにした。

Wesmo! その解決にWesmo!が貢献することを目指す

 日本では法人間の取引でキャッシュレス化が遅れている。手元現金が必要になるのでキャッシュレス化が難しいという声も根強く、Wesmo!残高で入金されても仕入れができなかったり、逆に現金などで仕入れしても銀行手数料のような取り扱いコストが発生したりする。

 Wesmo!残高は、取引先などにも送金できるため、手数料が発生せずに、最短翌日入金の残高を使って仕入れができるようになる。さらに今後は、従業員の給与支払いにもWesmo!が使えるように準備を進めており、デジタル給与払いの申請のために厚生労働省との話し合いも進めているという。

 こうした課題解決を目指したのがWesmo!だという。こうしたメリットから店舗側の参加を促し、利用可能店舗の拡大につなげたい考えだ。

会員サービス「WESTER」を通じてポイントを付与 最大4.5%還元に

 ユーザー側には、同社が提供する会員サービス「WESTER」を通じてポイントを付与することで、お得さなどをアピールして利用につなげる。WESTER IDとひも付く形でポイントとWesmo!が連携。WESTER IDにひも付くJ-WESTカードでWesmo!にチャージすれば3.0%、Wesmo!で支払いをすれば0.5%、WESTERアプリやWESPOアプリを提示すれば1.0%、最大4.5%が還元される。

Wesmo! WESTERポイントは生活の中でためることができる
Wesmo! J-WESTカードと併用することでさらにお得に
Wesmo! Wesmo!に合わせてJ-WESTカードのキャンペーンも実施
Wesmo! 他に、マイナンバーカードを読み取るJPKI方式で本人確認した場合に参加できるキャンペーンを準備しているという。本人確認すると送金などの全機能が利用できるようになる

 こうしてためたポイントは、交通事業者の強みを生かして鉄道チケットとの交換でお得になるなど、「1ポイント1円以上と感じられる体験価値」を提供すると同社。加えてアプリのUI/UXを洗練させ、目標達成に向けて近づいていくワクワク感を得られる作りにして、利用の促進を図る。

Wesmo! 1ポイント1円以上という価値を提供する
Wesmo! Wesmo!アプリはUI/UXにも配慮している
Wesmo! ポイント達成に近づくワクワク感を醸成するデザインを目指した

 Wesmo!残高は、資金移動業として現金からのチャージによる残高と、前払式支払手段としてのチャージ残高の2種類が保管される。資金移動による残高はWesmo!ユーザー同士の送金にも使えるため、割り勘やお小遣いといった使い方も可能にした。

Wesmo! 個人間送金に加え、物理カードのICOCAカードにもチャージ可能
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