駆け足でざっと一通り撮ってみたところで本題。Nothing Phone(3a)のカメラ機能のユニークな点は、「プリセット」と「フィルター」にある。
まず「フィルター」から行こう。メニューから「フィルター」をオンにすると、モノクロやウォームなどのフィルターをかけられるようになる。
まあ、これ自体は珍しくもなんともない。かけられるフィルターの種類も、特に多いわけじゃない。面白いのは、フィルターを自分で追加できる点にある。「.cube」形式で作られたLUTファイルを追加できるのだ。
自分で作らなくても、LUTファイルは主に映像用のものが有料/無料問わずたくさん公開されている。それを使わない手はない。
WebブラウザでLUTファイルをダウンロードしたら、フィルター選択画面の一番左にある鉛筆アイコンをタップする。そこにある「LUTをインポート」をタップするとファイルマネジャーが開くので、ダウンロードした「.cube」ファイルを選び、好きな名前を付けて組み込めばOKだ。
今回は、Shutterstockというストックフォトの会社が無料で公開しているLUTファイルを使ってみた。
すると、本機オリジナルのフィルターの次に、組み込んだLUTフィルターが表示される。
下の作例は、追加で組み込んだフィルターで撮った写真だ。オリジナルと比べると、違いがよく分かる。使ってみたのは「OrangeAndBlue」というLUTである。
フィルターというよりも、好きなLUTを当てて撮る機能と思うといい。自分ならではの画作りを楽しみたい人は、ぜひ活用したい。
なお、フィルターをかけられるのは静止画のみで動画には当てられない。そこは、ちょっとSoCのパワー不足だったか。
もう1つの「プリセット」。 画面下の小さなタブを示すボタンをタップすると、プリセット画面に入る。見逃しがちだが、大事な機能だ。
ここであらかじめ用意されたプリセットを選ぶと、自動的にその設定で撮影できるのだ。それぞれどういう設定になっているか、どういう意図のプリセットかを見ることができるので、自分で作るときの参考にもできる。
プリセット画面で「+」をタップするか設定画面に移行すると、新しいプリセットを自分で作ることも可能だ。
せっかくなので、プリセットを作ってみた。「ランチ用プリセットを作ってみよう」ってことで、適当な表紙写真と、プリセット名をセットする。
焦点距離は35mm(1.4x)、フィルターは「FOOD」、グリッド線は「オン」にしてみる。レンズの焦点距離を選べるのはいい。最高で140mmまでいける。
さらにグリッド表示をどうするかとか、オートHDRをどうするかとかいろいろセットしていく。
「よし撮ろう」ってんでプリセットを開いたら、さっき作ったランチ用プリセットがちゃんと出てきたのだった。
普段はあまり使わないような設定をプリセットにしとくのもいいかなと思って、3本のLED(Glyph/グリフ)を光らせて撮るプリセットも作ってみた。
かくして、ただ普通に使っていては「ミドルクラスだけどカメラがんばっていてけっこう高画質だな」って感想で終わりがちだけど、フィルター(というよりLUT)とプリセットを組み合わせて好きな画作りをするとぐっと面白くなるのだ。
スキルがある人は自分でLUTを作ってもいいし、そうじゃない人は有料/無料問わず多くの「.cube」ファイルが公開されているので、良さげなものをダウンロードして組み込んで試してみて、そのLUTを生かすセッティングを見つけたら「○○を△△な感じで撮る用」っていうプリセットを作り、「ここはあのLUTを当てて撮りたい」と思ったら、プリセットからサッと選んで撮る――って使い方が楽しいと思う。
それを始めると、かなりハマるかも。
「Nothing Phone (3a)」の実力検証 予想外に使えたAI機能、処理能力やカメラも進化した“本気”のデバイスだ
全方位で進化を遂げた「Nothing Phone (3a)」の見どころを解説 楽天モバイルが販売する理由は?
「(3a)Pro」ではなく「Nothing Phone (3a)」投入の理由、楽天モバイルが扱う背景は? キーパーソンに聞く日本攻略への道筋
IIJmio、「Nothing Phone (3a)」を販売 8GB/128GBで5万4800円 乗り換えで3万6800円に
楽天モバイルが「Nothing Phone (3a)」発売 専売カラーもあり 「Nothing Ear (a)」も取り扱いCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.