―― 「GO Tour」や「ワイルドエリア」といった他のリアルイベントについてもお聞かせください。これらのイベントは今後も継続されるのでしょうか。
三宅氏 はい。買収などもありご心配をおかけしたかもしれませんが、これまで続けてきたイベントは、少なくとも来年(2026年)までは同様の形で継続していく予定です。
―― それぞれのイベントの位置付けについて教えてください。
三宅氏 GO Tourは、原作ゲームの特定の地方を切り取って、その世界観を再現するイベントです。一方、ワイルドエリアは、「ポケットモンスター ソード・シールド」に登場する同名(ワイルドエリア)の世界観をテーマにしています。
そしてGO Festは、年に一度の最大のお祭りで、特定の原作テーマに縛られず、その年の目玉となる幻のポケモンを主軸に、4つの異なる生息地を設けて、多様なポケモンとの出会いを楽しんでいただくイベント、という位置付けです。
―― イベントの開催国はどのように選定しているのですか?
三宅氏 GO Festに関しては、アジア太平洋(APAC)、米国、EMEA(欧州・中東・アフリカ)の3つの地域から、それぞれ1都市ずつ選んで開催する形を継続しています。GO Tourは、今年はラスベガス(米国)と、久しぶりにAPAC地域でも開催しました。ワイルドエリアは、昨年はGO Festに参加できなかった方々にもリアルイベントの体験をお届けしたいという思いから、下半期に日本(福岡)で開催しました。
―― GO Festでは万博記念公園だけでなく、吹田市内の商店街などとも連携した施策が印象的でした。
豊田氏 はい。私が主に吹田市内の施策を担当しました。イベント会場でのプレイ前後に、街中でもポケモンGOを楽しんでいただけるよう、吹田市様と協力し、商店街にフラグを掲出したり、江坂公園にフォトスポット「ポケジェニック」を設置したりしました。
江坂公園は、イベント会場の万博記念公園から少し離れていますが、3時間ほどかけて回る「GOスナップショット」のスタンプラリーも実施し、多くの方に訪れていただけました。地元の飲食店の方からも「スタンプラリーで来たお客さんが立ち寄ってくれた」という声をいただき、うれしく思っています。
こういった会場外での施策は、来場されたトレーナーの皆さまにその土地の魅力を知っていただきながら、より深くポケモンGOの世界に没入してもらうための重要な取り組みです。人々を外に連れ出し、世界を探索してもらうという弊社のミッションを体現するものであり、今後もイベントの特性に合わせて積極的に行っていきたいと考えています。
―― ワイルドエリアやGO Tourなど、海外で開催されるイベントにおいても、大阪の商店街連携のような地域振興施策は行われているのでしょうか。
豊田氏 はい。リアルイベントを開催する以上、会場内だけでなく、その周辺エリアも含めてトレーナーの皆さまに楽しんでいただきたいという思いがあります。
私自身、昨年Nianticに入社し、初めて参加したのが仙台のGO Festでした。そのとき、仙台駅がトレーナーで埋め尽くされている光景を目の当たりにし、これだけの熱量を持った人々を特定の場所に集めることができるポケモンGOというコンテンツのすごさを改めて実感しました。
せっかくその土地を訪れていただいたのですから、その地域の魅力を存分に味わっていただきたい。そのために、会場の外でも楽しめる施策を企画しています。イベントの特性や開催地の状況に応じて、今後も積極的に地域と連携した取り組みを行っていきたいと考えています。
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