ポケモンGOの「不具合」や「地域格差」は解消されるのか? 10周年に向けた動きも? 開発責任者エド・ウー氏に聞く(1/2 ページ)

» 2025年06月20日 18時40分 公開
[田中聡ITmedia]

 2025年5月29日から6月1日まで開催されていた「Pokemon GO(ポケモンGO)」の大型イベント「Pokemon GO Fest 2025:大阪」にて、ポケモンGOのチームリーダーであるエド・ウー氏にお話をうかがう機会を得た。

 ポケモンGOは、5月29日に米国のゲーム会社、スコープリー(Scopely)に買収されたばかりだが、ゲーム方針に変更はあるのか。また、2026年に10周年を迎えるポケモンGOを、どのように発展させていきたいのか。

ポケモンGO ポケモンGOのエンジニアを統括するチームリーダー、エド・ウー氏(左)と、Niantic ライブイベント APAC マーケティングマネージャーの三宅那月氏(右)。三宅氏にイベントについてお話をうかがった記事はこちら

パンデミックで試練が訪れるも、9年で素晴らしいプロダクトに成長した

ポケモンGO エド氏は、ポケモンGOのリリース当初からエンジニアとして開発に携わっている、古参の開発者だ

 エド氏は、ポケモンGOのローンチ以前から、エンジニアとしてNianticの位置情報ゲームの開発に従事しており、ポケモンGOのローンチ時点からエンジニアのチーム全体を率いている。現在は、ポケモンGOとその他のゲームも統括している。

 ポケモンGOは2025年で9年目を迎えるが、エド氏は「素晴らしいプロダクトに成長した」と振り返る。「9年続いた後もなお、スタンプラリーやルートなどの新機能も搭載しています。今回、Go Festを実施するにあたり、吹田市でもそうした機能(スタンプラリーやルート)をローンチできました」(エド氏)

 開発は全てが順風満帆だったわけではない。2020年に新型コロナウイルスのパンデミックが発生し、外出に制限がかかった。外で遊んでもらうことが基本コンセプトのポケモンGOにとって、外出できないことは、ゲームを楽しむ上で致命的だ。

 このパンデミックの間、「世界を再び探索できるようになることを夢見て、プロダクトがどう進化すればいいかを考えてきました」とエド氏。結果的にパンデミックは終息し、Pokemon GO Festは2022年にリアルイベントとして復活、この1〜2年は新機能も積極的に追加している。エド氏が冒頭で触れたルートやGOスタンプラリーもそうだし、2024年に実装した「ダイマックス」と「キョダイマックス」も、多くのプレイヤーが外に出てプレイするという、ポケモンGOの原点に立ち返ったといえる機能だ。

 ダイマックスとキョダイマックスに変化できるポケモンは、ポケモンGOにも続々登場しているが、現状、これらのポケモンをレイドやGOバトルリーグなどのバトルに参加させることはできず、ダイマックス/キョダイマックスのポケモンの討伐にしか使用できない。エド氏は「ダイマックスやキョダイマックスのポケモンを捕まえた後、いろいろな場所で使えたらいいと思っているプレイヤーがいることは認識している」と話す。今後、活躍の場が広がることを期待したい。

ポケモンGO ダイマックスやキョダイマックスのバトルは、プレイヤー同士が集まって参加するという、ポケモンGOの原点に立ち返った機能といえる

スコープリーの買収後も、同じチームで運営を続ける

 スコープリーに買収されたことへの影響も気になるところだ。この件は弊誌でも度々伝えてきているが、買収後もエド氏をリーダーとする開発チームは変わらず、従来と同じチームが自律的にポケモンGOの開発を継続していく。

 エド氏は、今までのチームを継続することで、ポケモンGOがさらに進化すると信じている。

 「(ポケモンGOは)スコープリーに買収はされましたが、スコープリー自身が、今のチームだからこそポケモンGOができたと思っていただいている。ポケモンGOは、たゆまぬ変化と改善を続けています。だからこそ、同じチームのまま運営できたと思います」

 「私はNianticのゲームに10年かかわっていますが、今の姿になったのは、これまでのチームのおかげであるし、同じチームを進化させ続けることで、今までのようにすてきなものができると信じています」

 スコープリーも、エド氏たちの意思は尊重している。「スコープリーは全面的にNianticのチームを信頼いただいている。そこに自分たちが加わって一緒にやろうというわけではない」(エド氏)

ポケモンGO スコープリーからの買収が発表された直後の、エド氏のコメント。スコープリーがポケモンGOの理念に共感したことで、今まで以上に進化させていくことを宣言している

2026年にローンチ10周年 「より大きくて楽しい体験を」

 さて、ポケモンGOは2026年にローンチから10年を迎える。この節目のタイミングで、どんな仕掛けを考えているのだろうか。エド氏は「具体的な計画は共有できませんが……」と前置きしつつ、「10周年という節目の年はとても楽しみにしていますし、興奮しています。当然、それに合わせて、より大きくて楽しい体験をご提供できたらと考えています」と話す。

 今やポケモンGOは、毎月、いや、毎週のようにゲーム内でイベントが進行しており、Pokemon GO Festのような大型イベントも、年に数回開催されている。そもそも、ポケモンGOのように、多数のユーザーを抱え、毎年大きな進化を繰り返しているモバイルゲームはまれな存在といっていい。そんなゲームが10年目で何を仕掛けるのか、期待せずにはいられない。

 一方で、エド氏は以下の通りに続ける。

 「規模が大きいことばかりに注目しているのではなく、われわれが改善しないといけないことは、ユーザーへのコミュニケーションの仕方です。より早く、正しい情報をお届けするなど、細かい点で改善する必要があります」

 ポケモンGOで度々批判の的になるのが、情報の伝え方だ。例えば、イベントで不具合が起きてもSNSでしか発信されず、プレイヤーに伝わり切れていないことがある。イベントの内容についてはアプリの「ニュース」に集約されているが、不具合の内容や補填などは、アプリのみでは分からないケースもいまだある。重要な情報を、より早く、多くのプレイヤーに伝える仕組みを確立させてほしい。

ポケモンGO 不具合の情報はXで発信されることが多いが、ゲーム内を含め、もう少し広く発信してほしいところだ
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