日々、多数のイベントや機能が実装されているポケモンGOでは、不具合をいかに減らすかが課題といえる。
コミュニティーデイや大規模イベントなどで、ゲーム体験を損なうほどの大きな不具合に遭遇する頻度は減っていると感じるが、不具合自体は多くある。既知の不具合は、ポケモンGOのヘルプセンターから確認でき。例えば2025年6月時点では「ラプラス」が10kmタマゴから出現しない、ダイマックスまたはキョダイマックスバトルで攻撃をかわしたにもかかわらず全ダメージが適用される、といったものがある。
繊細な操作が求められ、多数の処理が実行される「GOバトルリーグ」も、不具合と隣り合わせのコンテンツだ。最近目立つのが、バトルが終わった後に他のアプリに切り替えると、BGMが消えるバグ。こちらはヘルプセンターにも明記されており、「現在修正作業中」とのことだが、数カ月前から一向に直る気配がない。
細かいところでは、ポケモンの交代時にノーマルアタックを差し込めない、相手の攻撃でHPが0になったはずなのにその判定がなされずスペシャルアタックを打ててしまうバグなどもある。また、通信環境の影響なのか、バトル中にフリーズしてしまい、気付いたら数ターンの攻撃を受けていたということもよくある。1ターンの攻撃が勝敗に直結するバトルリーグにおいて、たとえ1秒でもフリーズするのは致命的だ。こうしたバグに嫌気がさし、GOバトルリーグをやめたり、距離を置いたりしている人を周囲で見かける。
大多数のプレイヤーがさまざまなコンテンツをプレイするポケモンGOで、不具合はどのように減らしていくのか。エド氏に聞いたところ、ポケモンGOでは「ジム」「レイドバトル」「GOバトルリーグ」「ロケット団」という4つの異なるシステムがあることに言及する。そして、不具合をなくすには、これら4つのシステムが採用しているコードを改善する必要があるという。
エド氏によると、2024年にバトルに関するコードを大きく改修しという。具体的には、2024年に導入したダイマックスとキョダイマックスでは新たなコードに書き換えたそうで、これを他のバトルシステムにも適用することで、不具合をより効率よく修正できる。これまでバラバラだったコードを1つに統一したことで、上記4種類のバトルシステムを改修する際に、4回ではなく1回で済むためだ。
コードの改修によって「ゲームの安定性が向上し、バトル関連で出ていたバグの大本の原因をつぶせた」とエド氏は手応えを話す。ジムとレイドバトルへの適用は終わっており、残るはロケット団とGOバトルリーグだという。今後も改修が進むことを期待したい。
もう1つ、ポケモンGOで度々聞く不満が、都市部と地方の不公平感だ。アイテムをゲットできるポケストップは、公園、駅、商業施設など、人口が多い場所に多く設置され、地方では少ない場合が多い。レイドバトルも、都市部では人数が集まっても、プレーヤーの少ない地方では人数が集まらず、伝説ポケモンを討伐できないケースもある。
エド氏は、こうした地域格差の解消につながる取り組みの1つに「コミュニティーアンバサダー」プログラムを挙げる。このプログラムでは、ポケモンGOプレイヤー同士の対面での交流イベントをサポートする。アンバサダーはNianticの審査を経て認定され、コミュニティーを作ってイベントを開催できる。
コミュニティーアンバサダープログラムは都市部だけでなく地方でも拡大しているので、「人の集まりやすさや、プレイヤーの仲間を見つけことにもつながります」とエド氏は期待を寄せる。
またエド氏は「いろいろなコミュニティーを訪れていますが、特に地方都市を訪れたときに、コミュニティーの温かさを感じます」と話す。
ポケストップはユーザー自らが申請できるが、これをユーザーが一緒に審査する「Niantic Wayfarer」という仕組みがある。ポケモンGOではレベル37以上のプレイヤーがWayfarerに参加でき、申請されたポケストップを承認すると、ゲーム内に反映される。申請すれば必ず承認されるものではないが、Wayfarerの参加者が増えることで正しく審査できる人材が増え、ポケストップの増加にも寄与するだろう。
ポケモンGOでは、コミュニティーのイベントに参加したり、他のフレンドにメッセージ送ったりできる「Campfire」も提供している。ポケモンGOの買収にあたり、スコープリーはWayfarerとCampfireも引き取っており、これら2サービスを通じたコミュニティーの強化は今後も継続される。スコープリーはポケモンGOのコミュニティーを高く評価しており、「買収にあたってゲーム事業だけでなく、WayfarerやCampfireをスコープリーが引き継いでくれたのは、コミュニティーの発展のため」(エド氏)でもある。
「世界のどこにいてもポケモンGOは楽しめますし、その発展にWayfarerもCampfireも貢献すると考えています。スコープリーも支援してくれているので、地方都市でも、コミュニティーの発展を通して、不公平感を与えているかもしれない点は改善していけると考えています」(エド氏)
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