―― 今後のリアルイベントについてですが、スコープリーによる買収が完了した後も、イベントの開催方針は変わらないと考えてよいでしょうか。
三宅氏 はい、大丈夫です。先ほど豊田からも申し上げましたが、人々を外に連れ出し、世界を探索し、交流してもらうというのが弊社のミッションです。リアルイベントは、そのミッションを体現する非常に重要な機会だと位置付けていますので、これをなくすという話は今後もありません。
―― 安心しました。6月末に開催されるグローバルイベントについてお伺いします。出現するポケモンは、大阪のイベントとは一部異なるようですね。
三宅氏 はい。リアルイベントとグローバルイベントでは、もちろん共通して登場するポケモンもいますが、両方に参加される方もいらっしゃいますので、少しずつ内容を変えながら展開しています。これは、リアルイベントの中でもAPAC、EMEA、米国の各都市で少しずつ内容が異なるのと同じ考え方です。
―― グローバルイベントとリアルイベントのすみ分けについては、どのようにお考えですか?
三宅氏 リアルイベントは、どうしても開催地に物理的に来られる方しか参加できないという制約があります。一方でグローバルイベントは、そうした地理的な制約なく、より多くの方々にイベントを楽しんでいただくための「門戸の広い」機会と位置付けています。これが最も大きな違いであり、私たちがグローバルイベントを開催する目的でもあります。
―― ということは、グローバルイベントでは参加人数の上限もないわけですね。
三宅氏 はい、今のところはありません。ただ、もちろん天候や災害、あるいは大規模な通信障害など、トレーナーの皆さまの安全に関わる事態が発生した際には、ゲーム内でのアナウンスや、場合によってはゲームプレイの一時中断といった対応も準備しています。安全性を最優先しつつ、誰もが楽しめるイベントを目指しています。
―― 通信環境に関して、グローバルイベントは特定の場所に限定されないため、リアルイベントとはまた違った難しさがあるのではないでしょうか。
三宅氏 おっしゃる通りです。全世界の通信状況をリアルタイムで把握することは非常に困難です。そのため、公に発表されているニュースや、各国の政府機関が発表する障害情報などを注視し、SNSだけでなくアプリ内でメッセージを出すこともあります。
―― アプリ内で特定地域のユーザーにメッセージを出すこともできるんですか?
三宅氏 はい。例えば2023年に大阪で開催したGO Festでは、(真夏で)日差しが強かったので、アプリ内で「水分補給をしましょう」というメッセージを出しました。これを他の地域で出しても意味がないので、大阪会場にいらっしゃる方にターゲットを絞って出させていただきました。
スコープリーからの買収後も、Nianticは積極的にイベントを展開する意向があることが改めて分かった。ポケモンGOは、外で遊ぶきっかけになることだけでなく、トレーナー同士の交流が図れることが醍醐味(だいごみ)のゲーム。GOツアーやワイルドエリアも継続されるようなので、今後もさまざまな仕掛けを期待したい。
そのイベントの成否の鍵を握っているのが、通信対策だ。リアルイベントでの通信対策も年々バージョンアップしており、キャリア並みにネットワークの知見を持つスタッフを抱えていることからも、その本気度がうかがえる。そして、これまで対策されてこなかった楽天モバイルのネットワークもGO Festで対策する方針を決めたことも朗報だ。今後も、より多くのプレイヤーが快適なネットワークでポケモンGOを楽しめる環境を整備してほしい。
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