米Appleは7月24日(現地時間)、この秋に提供開始予定のiOS 26メジャーアップデートに先駆け、パブリックβ(ベータ)版の最初のバージョンをリリースした。これはApple Beta Software Programのサイトから入手できる。
iOSが大規模なデザイン刷新を果たしたのは、2013年に発表・リリースされた「iOS 7」以来のことだ。特に注目すべきは新要素「Liquid Glass(リキッド・グラス)」で、ガラスのような透明感をアイコンやウィジェットなどに適用できる。ここでは、ホーム画面とApple純正アプリの一部にフォーカスし、視認性や使い勝手をチェックしたい。
実際に試してみると、全体的に透明感のある見た目に統一されている印象を受けた。アプリのアイコンはデフォルトではカラー表示だが、長押しして「ホーム画面を編集」→「カスタマイズ」の順に操作すると、アイコンをカラーからクリア表示に変えられる。
ただし、壁紙を黒色系に設定し、「壁紙のぼかしアリ」を設定していると、アプリアイコン全てが灰色のように見えて「iOS 26ならではの透明感」は感じられない。そのため、透明感の効果を十分に得るには、設定は「壁紙のぼかしナシ」がおすすめだ。
一方、ほんの数分もしないうちに、見慣れるまでに時間がかかると感じた。それは、普段から「LINEは絶対に緑色」「Netflixは黒基調に赤色で『N』の大文字」というように、アプリアイコンの色で何のアプリかを瞬時に見分けるようにしているためだ。アプリアイコン全てが半透明になってしまうと、ホーム画面にたくさん並ぶアプリアイコンから起動したいアプリを判別しづらくなってしまう。
Liquid Glassの性質を表すのは、レンズを模した効果だ。レンズの効果は人間が日常的に目にするものだ。透明な物体の存在、動き、それに形状の知覚に影響する光のひずみや屈折が、iOS 26では再現されている。
アプリアイコンが半透明になれば、壁紙というレイヤーが最も下にあり、その上に透明なガラスが重なっているように見える。これはアプリアイコンに限ったことではない。Apple Musicやポッドキャストなどのアプリ内で最下部に位置する「ホーム」「検索」といった項目がある場合も、その下にあるコンテンツが透けて見えるのだ。ただ、こちらも下にある楽曲のジャケット画像が白っぽいと見づらい。
iOS 26には、懐かしさもあり、楽しい。iOS 26の試用を開始して数分で想起したのは、かつて存在していた「iida Home」だった。それはKDDIが2013年に発売した「INFOBAR A02」のホームUIだ。画面を上下にスクロールすると、ゼリー状のアイコンが“ぷにぷに”(いや“ぷるぷる”と表現した方がいいかもしれない)と動く。
先に挙げたApple Musicなどを操作する際に使うホームや検索といった項目も、切り替えるときにはゼリーのようにぷるぷると動く。これが楽しい──。スプーンでゼリーやプリンを少し揺らしたときの動きに近いが、項目そのものが揺らぐというより、その上のレイヤーにある虫眼鏡のようなもので、どのアイコンに指が近いのかを示すようなイメージだ。
見やすいかどうか、使いやすいか否か、必要か否かは人によって意見がさまざまだろう。分かりやすい変化という点でいえば、iOS 26のLiquid Glassは「必要だ」と感じる。ただ、繰り返しにはなるが、現時点ではどの作業においても「見やすく使いやすい」と断言しづらい。この点についてはもう少し時間をかけて体験・検証してみたいと思う。
本記事で紹介している情報は、2025年7月25日15時30分(日本時間)時点のものです。検証は「iPhone 16 Pro Max」と「iPhone 16e」で行いました。パブリックβ版には不具合(バグや欠陥)が含まれている可能性があるため、インストールや使用はご自身の判断と責任のもとで行ってください。
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