KDDIが「INFOBAR A02」で目指したのは、従来の「あんこ/もなか」のようにソフトとハードを別々にデザインするのではなく、ハードとソフトを一体とした「ようかん」――。デザインを手がけた深澤直人氏はそう表現する。INFOBAR A02ではこれまでのINFOBARにあったタイルキーがなくなり、正面から見た印象は一般的なスマートフォンと大差ない。だが、INFOBAR A02を実際に手に取り、新しいUI(ユーザーインタフェース)に触れると、ほかのスマートフォンとは明らかに違うと感じられる。ソフトウェア編では、進化したINFOBAR A02の「iida UI 2.0」を中心にリポートしよう。
ホーム画面に移る前に、まずロックを解除する必要があるが、この挙動からユニークだ。まず、左上の電源キーを押して画面を点灯させると、これら5つのアイコンが、画面左上からシュッと落ちてくる。1つはロック解除用のカギアイコンと、残り4つはショートカットアイコンだ。カギアイコンに触れながら上方向にドロップするとロックが解除される。この際も、左上からiida Homeのパネルが降ってくるアニメーションとともに、画面が切り替わる。画面点灯時とロック解除時、いずれも(左上にある)電源キーからアイコンが出てくるように見えて面白い。こうした、ハードとソフトが融合しているかのような見せ方も“ようかん”たるゆえんといえる。
すでに動画や記事などを見た人も多いと思うが、新しいiida Homeでは、画面を上下にスクロールすると、ゼリー状のアイコンが“ぷにぷに”(いや“ぷよぷよ”と言った方がいいかも?)と動く。アイコンを横3列に置けるのは従来のiida UIと同じだが、スクロール時のアニメーションが追加されているのだ。ただ、少々クセのある動きなので、じっと見ていると目が疲れたり酔ったりすることもあり得る。そんなときは「設定」→「iida Home設定」→「アニメーション効果」をオフにすればよい。すると、従来のiida UIと同じ、アニメーション効果なしのスクロールに切り替わる(切り替わりには少々時間がかかる)。
24日の発表会で田中社長が「クラウドに触れる新しい感覚」と話していたように、INFOBAR A02のホームには、音楽アルバム、写真アルバム、電子書籍、アドレス帳の友達、Twitter(テキストか写真)、Facebook(テキストか写真)、Friends Note(テキストか写真)のパネルを置ける。音楽のジャケット写真をタップするとミュージックプレーヤーで音楽が再生され、アドレス帳の写真を選ぶと、その人へ簡単に連絡(電話、メール、SMS)を取れる。TwitterやFacebookパネルでは、投稿されたテキストや写真が表示され、一定間隔で自動更新される。写真アルバムには、本体やau Cloudに保存した写真がランダムで表示される。これは「自分が撮った写真と突然出会えるような新たな発見や驚きを感じてもらう」(田中氏)ことが狙いだ。パネルとして表示する写真のサイズは、タップしながら数パターンから変更できる。
これらのパネルをうまく活用すれば、「リアルな世界に常につながっているような新鮮な感覚を覚えられる」(田中氏)はずだ。なお、ホームに設置できるパネルは初期に設定されているもののみで、(現時点では)ほかのアプリのパネルを追加することはできない。
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