今回、WWDC25で発表となったiOS 26ではApple Intelligenceをベースにコミュニケーション系機能が強化されている。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2025年6月14日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
メッセージやFaceTime、電話においてはリアルタイムに翻訳をしてくれるようになる。登録されていない番号からの着信は、iPhoneが相手から名前や要件を聞き出し、テキストとして表示し、ユーザーが必要であれば着信に出られるという仕組みをいれた。また、コールセンターなど、ユーザーが保留状態で待たされた際、放置していても、担当者が電話に出たタイミングでユーザーに通知してくれるようにもなった。
リアルタイム翻訳や迷惑電話防止機能などは、すでにグーグル・Pixelやサムスン・Galaxy、シャープ・AQUOSが手がけており「いまさら感」が強いのは間違いない。
ただ、ここ最近、海外からの怪しい電話が着信してくることも多いため、多くのユーザーを抱えるiPhoneでこのような機能が搭載されたことで、一気に利便性を感じる人が増えてきそうだ。
コミュニケーション関連のプレゼンで気になったのが、グループチャットでの機能強化だ。グループチャット時、カスタムの背景を設定できるという。こんなのはLINEでも採用されており、こちらも「いまさら感」でしかない。
ただ、これが「RCSでやりとりしているAndroidユーザー」まで共有されるかといえば、正直、難しいのではないか。
グループチャット機能では他にもユーザー間で投票が行える機能や、他のユーザーがタイピングしている様子がわかったり、Apple Cashの請求、送金、受領が可能だ。
ここまで来ると、もはやAndroidスマホでグループチャットに参加して、円滑にコミュニケーションするのは無理があるのではないか。「あなた、Androidだから、Apple Cashで割り勘できないよ」と言われ、悔しい思いをするユーザーが出てきそうだ。
アップルとしては欧州からの圧力もあり、仕方なくRCSを導入したが、当然、そのまま黙っているわけはなく、「iPhoneユーザーならグループチャットも楽しい」という機能強化を図ってくるのは目に見えていた。
企業からユーザーに対して情報を発信する程度であれば、RCSによって、iPhoneだろうがAndroidだろうが、リッチなメッセージを送れるというメリットはあるのかもしれない。
しかし、一般のユーザー同士で、iPhoneなら楽しくメッセージを送り合えるという機能が増えてくるとなると、若者とすれば「やっぱり、AndroidではなくiPhoneがいい」という事になるのかもしれない。
単にRCSをアップルに導入させたからといって「Androidユーザーは仲間はずれ」という状況が改善できる、というわけでもないようだ。
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