NTTは8月6日、NTT東西のメタル設備を利用した固定電話について、2035年をめどに、光回線やモバイル回線を活用したサービスへと段階的に移行していく計画を発表した。
メタル線(銅線)を使って音声通話を行うメタル設備は老朽化が進み、コスト効率の悪化も課題とされていた。NTTの島田明社長は「今の段階で新しいメタル回線を引くことはあまり効率的でない。2035年に設備限界を迎えるので、それまでに計画的に、代替するサービスに移行していただく」と見通しを話す。
光やモバイルを使った代替サービスへ移行するにあたり、ユーザーには十分な周知期間や移行期間を設ける。基本的な方針については、2025年9月下旬をめどにNTT東西から発表する予定としている。具体的な移行地域は未定だが、「まずは都市部で、光が引いてあるようなところから、代替に移ってもらえれば」(島田氏)とのこと。
NTT法の改正により、NTT東西が電話サービスを全国で提供する義務が緩和され、指定事業者がいる地域ではその事業者が、指定事業者がいない地域ではNTT東西が提供する義務を負う。
島田氏は「他の事業者のサービスに自主的に入るという選択もあると思う。NTT東西が、モバイル事業者から特定エリアで委託を受けたり、卸を受けたりしながらサービスを提供するケースもある。お客さんからすると、窓口としてNTT東西からコンタクトしてもらう方が安心という意見もあるかもしれない」との見解を示した。
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