アップルがサプライヤーを集めてアメリカでの生産体制を確立――サムスン電子に切り替えでソニーの牙城は崩れるのか石川温のスマホ業界新聞

» 2025年08月17日 11時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 アップルのティム・クックCEOとトランプ大統領が2025年8月6日に会談を行った。いつもより大きなアップルロゴの入った箱から、変なオブジェを渡していたので、気になって調べてみたら「大統領のために刻印を施したCorning社のガラスを、24金の台座に乗せたもの」だった。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2025年8月9日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 アップルは「アメリカ製造プログラム(AMP)」を発表した。今後、米国内で6000億ドルの投資を行い、今後4年で2万人の直接雇用を計画するという。

 AMPでは様々なサプライヤーが参加する。CorningはiPhoneとApple Watch向けのカバーガラスを製造する。GlobalWafers AmericaはiPhoneやiPad向けのチップ製造に必要なウエハーを供給する。TSMCはアップル向けに数千万個のチップを生産し、サムスン電子も「画期的な新技術を用いたチップ」を製造するようだ。ブロードコムは5G通信向けの半導体を開発、製造するということだ。

 これらのパートナーを見ると、もはやiPhoneを米国内で製造するのも時間の問題という気がしていた。

 一昔前は、スマートフォンの製造と言えば、工場のラインに大量の作業員が並んで流れ作業で作っているイメージが強い。実際、コロナ禍前に中国でOPPOの工場を見学したが、本当に多くの工員がいて、手作業でスマートフォンを作っていた。昼時になると、工員が

 一斉にランチを食べている光景は壮観であった。

 一方、同じ頃にファーウェイの工場も見る機会があったが、こちらは製造工程がすべてロボットによって自動化され、工員の姿は皆無に等しかった。ラインを管理する人が1〜2名といった感じで洗練されていた。ロボットの多くは日本メーカー製だったのを覚えている。

 iPhoneに関しても、サプライヤーがアメリカに集結すれば、アメリカ国内での生産も可能なのではないか。すべてのラインナップをアメリカで作るという必要もなく、アメリカ国内で必要とされる分だけ作ればいい。

 正直言って、ティム・クックCEOはどんなにトランプ大統領から「iPhoneをアメリカで作れ」と脅されても、のらりくらりと交わして、お茶を濁すだけかと思っていた。実際、いまからアメリカ国内でiPhoneの生産体制を整えたとしても、トランプ大統領の任期中に間に合うかはかなり微妙だ。4年間という時間切れを待つというのも得策だったはずだ。

しかし、今回のAMPを見る限り、ティム・クックCEOとしては腹をくくった感じがするのだ。

 ここで気になるのが「カメラのセンサーモジュールはソニーからサムスン電子に切り替えるのか」という点だ。

 確かに、最近のサムスン電子のセンサーは技術力が上がっている印象がある。とはいうものの、ソニーのアドバンテージはまだまだ優位に感じるところがある。

 ソニーがアメリカに製造拠点を作るというのは、先日の決算会見を見ても、いまのところ考えにくい。AMPによって、ソニーはアップルに切り捨てられてしまうのか。このあたりが注目となってきそうだ。

© DWANGO Co., Ltd.

アクセストップ10

2026年03月12日 更新
  1. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」は何が違う? 3万円の価格差をスペックから検証する (2026年03月10日)
  2. 庵野秀明、GACKT、ひろゆき、ドワンゴ川上らが集結 “カメラのいらないテレビ電話”をうたう新サービス「POPOPO」18日に発表へ (2026年03月11日)
  3. 「iPad Air(M4)」実機レビュー 「もうProじゃなくてもいい」と思えた性能、だからこそ欲しかったFace ID (2026年03月09日)
  4. 「iPhone 17e」を試して分かった“16eからの進化” ストレージ倍増と実質値下げで「10万円以下の決定版」に (2026年03月09日)
  5. 自分で修理できるスマホ「Fairphone(6th Gen.)」を見てきた わずか10分で画面交換、2033年まで長期サポート (2026年03月10日)
  6. 携帯キャリアの通信9サービス、総合満足度はpovoがトップ サブブランド勢が好調 MMDが調査 (2026年03月10日)
  7. キーボード付きスマホ「Titan 2 Elite」がUnihertzから登場 実機に触れて分かった“絶妙なサイズ感” (2026年03月09日)
  8. 60ms未満の音声遅延速度で端末をワイヤレス化「UGREEN USBオーディオトランスミッター」が30%オフの2309円に (2026年03月09日)
  9. どこでもウユニ塩湖? 3COINSで550円の「スマホ用反射ミラークリップ」を試す (2026年03月12日)
  10. 「Galaxy S26」シリーズはどこが安い? 一括価格と2年間の実質負担額を比較、お得なキャリアはココだ (2026年03月11日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年