「Leica LUXグリップ」を使えばiPhoneが“Leicaのカメラ”になるのか? 試して分かったこと荻窪圭のiPhoneカメラ講座(2/3 ページ)

» 2025年08月24日 11時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

カスタマイズしてもっと使いやすく

 Leicaグリップの特徴は、シャッターボタンに加えてプッシュボタン付き電子ダイヤルと2つのカスタマイズできるファンクションボタンを持っている点にある。続いて、これを使いこなしてみる。

グリップ部のボタン グリップ部にFn(ファンクション)ボタン2つと、プッシュボタン付電子ダイヤルが備わっている

 メニューから「グリップ」を選び、Fn1とFn2のそれぞれのボタンに機能を割り当てられるの。好みに合わせて選ぶべし。

ファンクションボタン 2つのファンクションボタンには機能を割り当てることができる

 今回、Fn1には「Photoモード」と「Apertureモード」の切り替えを割り当ててみた。これを押すたびに、両者が切り替わる。ApertureモードにするとLeicaのレンズを選べるので、それに応じたボケも楽しめる。Photoモードは標準のカメラアプリ同様、ズーム倍率を「0.5x」から「5x」まで切り替えるという感じだ。

 Fn2には「レンズの切り替え」を割り当てて、押す度にレンズが切り替わるようにした。

 さらに、電子ボタンをプッシュしてパラメーターを切り替えて、ダイヤルで設定できる。プッシュ+ダイヤルで絞り値や露出補正やルックを変更できるわけで、これは便利だ。カメラ慣れしてる人は露出補正に使うと便利だろう。

 ダイヤルをうまく使いこなせば、本体のカメラコントロールを使わなくてもOKだ。

電子ダイヤル プッシュ式の電子ダイヤルも装備。これがあるだけでぐっと使い勝手がカメラっぽくなる

いろいろ撮ってみる

 では撮ってみる。

 Leica LUXアプリ自体は以前レビューしたが、その時から何度かバージョンアップを重ね、ルックもレンズも増えているし、あとからルックを変更できるようになったし、フレームのカスタマイズ幅も増えた。

 追加された主なレンズを挙げると、独特のソフトフォーカスを見せてくれる120mmの「Thambar(タンバール) F2.8」や、Leicaの100周年を記念し、100年前に誕生した「Leica I Model A」(ライカI型)の50mm(これはざらつきのある当時をほうふつとさせるモノクロのルックとセットになっている)が2025年になって追加されている。

Thambar Thambar F2.8で風景を撮影。ルックは、くっきり感がたまらないETERNALで
Leica I Model A Leica I Model Aは、レンズだけでなく当時のフィルムごとシミュレートするようになっている
ネコを撮ってみた たまたまうちのネコが大あくびをしてくれたので、レトロなモノクロ調で撮ってみた

 ルックでは「Brass」や「Teal」が追加されている。

Brassで撮影 昭和から続く町のおもちゃ屋の店頭を、Brassで仕上げてみた。昭和っぽさが出ただろうか
Tambar 120mmのThambar F2.8でポートレート。開放時のソフトな写りと、独特のボケ味が特徴だ。ルックはTealで仕上げている

 編集時に異なったルックに切り替えることもできるし、撮影情報が入るフレームの種類も増えているのも、新しいバージョンのうれしいところだ。

撮ったものを後から変更 撮った写真をBlueにし、レンズを50mm F2に、そして半透明のフレームを入れてみた

 レンズの画角を変えられるのは一見不思議だが、28〜50mmは24mmのメインカメラを使っており、撮影時に全画素のデータを記録しているのだろう。これは良い。

レンジフード上 レンジフードの上でくつろいでるネコを「Leica Look Blue」で。クールなモノクローム写真になった。

 そして実にカッコいい、あるいは印象的な、標準カメラでは撮れない、あるいは自分でレタッチして仕上げようにも困難なテイストのある写真を撮れるのである。

Eternal 120mmの望遠で撮ったサビネコをEternalで。Eternalならではのくっきり感がカッコいい。背景のボケもレンズのシミュレートをしている
昔撮ったやつ 昔、LUXアプリで撮ったカットを新たに編集してフレームを付けてみた。ルックはEterunal。絞り開放で撮ったときの背景のぐるぐるボケまで、忠実に再現している

 このように、Leica LUXアプリは標準のカメラアプリでは難しいテイストの写真を撮れるし、アーティスティックに仕上げてくれるので、ぶっちゃけ、グリップなしでアプリだけでも楽しい。

 なお、LUXアプリの機能をフルに使うには「Proバージョン」にする必要があるけどね(月額1000円または年1万円のサブスクリプション)。

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2025年12月07日 更新
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