米Adobeは9月4日(現地時間)、「Adobe Premiere」のiPhone/iPadアプリを発表した。9月後半に正式リリースの予定だ。現在、米AppleのApp Storeで予約が可能になっている。基本的には無料だが、Fireflyで素材を生成する場合などには課金がある。
iPhone版Premiereアプリは、Premiere Proのデスクトップ版に通じるマルチトラック編集の操作感を再現しつつ、モバイルの直感的な利用性を重視した設計となっているという。マルチトラックタイムラインとオーディオ波形表示を備え、フレーム単位の正確なトリミングやレイヤーの重ね合わせも可能。また、自動字幕生成機能やスタイライズされた字幕表示、動画・音声・テキストの無制限レイヤー、4K HDR 対応などの編集機能も備える。
オーディオ面では、「Generative Sound Effects」機能により、テキスト入力と自分の声をもとに、狙ったタイミングや感情、抑揚を反映したカスタム音声効果を生成できる仕組みが搭載されている。さらに、「Enhance Speech」機能により、ノイズの多い環境で録音したナレーション音声もAIによってクリアに改善可能だ。
「Adobe Firefly」を内蔵し、テキストプロンプトなどから映像・画像・音声をAIで生成できる。加えて、無料の「Adobe Stock」や「Lightroom」などの素材ライブラリがアプリ内で利用できる。
さらに、完成した動画を、TikTok、YouTubeショート、InstagramなどのSNSに1タップでエクスポートできるほか、各サービス向けに自動リサイズして、主要なアクションが常にフレーム内に収まるよう調整するなど、効率的なモバイル制作をサポートする。また、デスクトップ版Premiere Proと連携し、モバイルで制作開始したコンテンツをデスクトップで仕上げることもできる。
Adobeはこれまで、モバイル向け動画編集として「Premiere Rush」を提供してきたが、新アプリはそれよりも高度な編集を可能にし、よりプロフェッショナルな編集体験をスマートフォンでも実現するとしている。
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