AIが血の通った人間に下剋上を起こした瞬間が見えた──。
作詞家の秋元康氏と、その言動を学習した「AI秋元康」がそれぞれAKB48の新曲をプロデュースして対決する番組「【新曲プロデュース対決】禁断バトル人間とAIどっちの曲が人気」が9月15日に放送され、大きな話題を呼んでいる。既にTVerやHuluで見逃し配信が実施されている。
番組では、秋元氏がメロディを選び歌詞を書いた「セシル」と、AIがメロディを選び歌詞を制作した「思い出スクロール」のどちらがいいか、楽曲を公開して一般投票を募った。
結果は、セシルが1万535票だったのに対し、思い出スクロールは1万4225票を獲得。AIが本人に勝利するという、衝撃的な結末だった。軍配はAIにあがり、人間が負けたのだ。秋元氏は「これどういうリアクションすればいいの」と苦笑いした。
AI秋元康は、過去の楽曲の歌詞やエッセイ、インタビューなどを「Google Gemini」が徹底的に学習し、言葉などを生成し会話もできる。秋元氏がどのように言葉を使い、どのような作品で成功を収めてきたかを法則として導き出したそうだ。
テーマ設定後、作曲家から提供された1000以上のデモ音源の中から、人間とAIがそれぞれ一曲を選んだ。秋元氏のセシルは女の子が女の子に憧れる気持ちが歌詞で表現されており、80年代の歌謡曲を匂わせるメロディーも印象的だ。一方、AI秋元康の思い出スクロールは、スマートフォン全盛時代における失恋を歌詞にし、「Perfume」や「モーニング娘。」が得意とするテクノポップ調のサウンドとなっている。
さらに、歌唱メンバーの選抜もそれぞれが行った。AI秋元康は、ネットやSNSの情報をもとに歌唱力やファン人気をグラフ化してメンバーをリストアップ。さらに、AKB48のセンターを務めた前田敦子氏の協力を得て16人と“面談”し、感情分析ツールでメンバーの心の動きを読み取りながらセンターを選出したという。
9月15日、日本テレビは特番「秋元康×AI秋元康」を放送した。秋元康氏の楽曲「セシル」は、彼の思考を学習したAIが作った「思い出スクロール」に一般投票で敗北し、AI曲が1万4225票を獲得して勝利した。思い出スクロールはApple MusicやYouTubeなどで配信されている思い出スクロールは、既にApple MusicやYouTubeなどで配信中だ。J-POP界の重鎮ではなく、AIによる曲作り、皆さんはどう感じるだろうか?
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