2025年のAppleの新製品発表会は、Apple Watchも“豊作”だった。中核となるモデルで毎年リニューアルされている「Apple Watch Series 11」が登場したのはもちろん、よりハードな環境向けに開発された「Apple Watch Ultra」にも、「Apple Watch Ultra 3」が登場。さらには、廉価モデルの「Apple Watch SE」にも、3年ぶりの新モデルが加わった。
「Apple Watch Series 10」と「Apple Watch Ultra 2」の新色だけだった2024年から一転し、Apple Watchのフルラインアップが更新される格好になる。ここでは、発売に先立って試用することができたApple Watch Ultra 3とApple Watch Series 11に焦点を当て、実機に基づいてその実力を明らかにしていきたい。
新モデルとして登場したApple Watch Series 11だが、本体などの基本的な部分はSeries 10から大きくは変わっていない。その見た目やSeries 9までとの着け心地の差などに関しては、2024年、筆者が執筆したレビューを参照してもらった方が早い。ディスプレイサイズも同じで、見やすさも変わっていない。
ただし、バッテリー周りが変わっており、駆動時間は18時間から24時間へと大きく伸びている。もっとも、丸1日でバッテリーが尽きてしまうとなると、翌日使うために寝る前などに充電が必要になるため、“日中に利用する”という観点では、あまり大きな違いと思えなかったのも事実。筆者の場合、Series 10は朝8時ごろ装着して、23時には充電してしまうためだ。
一方で、新機能の睡眠スコアを取ろうとすると、この「6時間分の伸び」が重要になる。上記のように、朝8時に装着した場合、Series 10だと翌日に変わった直後にバッテリーが切れてしまうが、Series 11だと、翌朝までバッテリーが持つ。高速充電に対応しているため、起床後に充電すれば、その翌日まで利用が可能。その意味では、より睡眠時にも使いやすくなっている。
バッテリーに関してよりアップデートが大きいのは、Apple Watch Ultra 3だ。Apple Watch Ultraはもともと、ノーマルモデルより大きなバッテリーを搭載しており、Apple Watch Ultra 2でも36時間とApple Watchの中では長時間駆動を誇っていたが、Apple Watch Ultra 3では、これが42時間に伸びている。丸々2日は持たないものの、1日おきの充電でほぼ大丈夫になるといえる。
実際、どの程度までバッテリーが持つのかを試してみた。装着したのは、9月14日の19時ごろ。そのまま、睡眠ログを取るためつけっぱなしにして、翌15日は仕事に出かけた。後述する5G対応を試すため、意図的にiPhoneとのBluetooth接続を切り、モバイルネットワークに接続した状態でマップなどのアプリを開くといったテストも行っている。
以下は、テスト開始から3日目にあたる16日の起床直後である7時ごろに取ったスクリーンショットだが、この時点でまだ22%のバッテリーが残っている。本稿の執筆を開始した11時時点でのバッテリー残量は14%。現時点で、既に40時間ほど充電せずに駆動している形で、ほぼほぼカタログ値通りと言っていいだろう。
むしろ、上記のようにモバイルネットワークにつなぐテストをしていたため、もっと早くバッテリーがなくなってしまうと思っていたが、いい意味で期待を裏切られた。もちろん、激しいワークアウトをしたり、単体で使ったり、さらには新機能の衛星通信を使ったりするともっと駆動時間は短くなると思われるが、それでもかなりの好成績と言っていい。睡眠スコアを毎日取るなら、より長時間駆動してほしいところだが、過去モデルからの比較としては十分電池が持つ印象を受けた。
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