9月19日に発売された「iPhone 17」シリーズと「iPhone Air」は、eSIMのみに対応しており、物理SIMは利用できない。
ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの4キャリアは、サブブランドも含めてeSIMを提供しているが、MVNOの一部サービスではeSIMを利用できない。そんな中、SNSでユーザーからの“悲鳴”が目立つのが、「OCN モバイル ONE」だ。
OCN モバイル ONEは旧NTTレゾナントが提供していたMVNOサービスだが、現在はドコモに移管され、2023年6月に新規受付を停止している。OCN モバイル ONEではeSIMを提供していないため、SNSでは「iPhone 17にしようかなって思ってたのにそもそも無理だった」「 OCNモバイルONE民の私 移る先を悩む」といった声が挙がっている。
「OCN モバイル ONE、お願いですからeSIM対応してください。日毎110MBプランが手放せないんです」という切実な声も見られた。OCN モバイル ONEでは以前、今では珍しい1日あたり110MBのデータ通信を利用できるプランを提供していたが、このプランを愛用しているユーザーも一定数いるようだ。
新規受付停止時に提供していたOCN モバイル ONEの料金プランは、月額550円で500MB、月額770円で1GB、月額990円で3GBなど、小容量のプランが充実している。こうした安価かつシンプルな料金プランが魅力で、移行できないという人も多いだろう。実際、MM総研が発表した2025年3月末時点のMVNOサービスのシェアにおいて、ドコモ(OCN モバイル ONE)がIIJとオプテージに次ぐ3位につけており、まだまだ利用者が多いことがうかがえる。
では、今後、OCN モバイル ONEはeSIMに対応する予定はあるのだろうか。ドコモは9月22日に、「『OCN モバイル ONE』iPhone 17 の動作確認について」と題したお知らせを掲載している。そこには、以下の通り明記されている。
「OCN モバイル ONE」では、iPhone 17の仕様により「eSIM」のみの対応となるため、ご利用いただく事ができません。
今後とも「OCN モバイル ONE」をご愛顧いただきますよう、よろしくお願いします。
OCN モバイル ONEではiPhone 17を利用できない旨が述べられているが、このお知らせだけだと、今後eSIMに対応するのかが分からない。ドコモに確認したところ、以下の回答を得られた。
OCNモバイルONEは新規販売停止しているサービスですので、eSIM対応の予定はございません。
eSIMをご希望のお客さまにおかれましては、ドコモ mini等への変更をご検討いただければと考えております。
予想通りではあったが、OCN モバイル ONEでは今後もeSIMに対応する予定はない。iPhone 17シリーズやiPhone Airを利用したいOCN モバイル ONEユーザーは、通信サービスを変更する必要がある。
では、どのサービスが乗り換え候補になるのだろうか。OCN モバイル ONEの後継サービスとしてドコモが提供していた「irumo」は、既に2025年6月で新規受付を停止している。irumoの後継として提供している「ドコモ mini」は、月額2750円で4GBだが、dカードお支払割、ドコモ光 セット割、ドコモでんきセット割などを組み合わせると月額880円まで下がる。しかし、ドコモのサービスを使っていないと大幅な値上げになる。
セット割なしで安価に使いたければ、OCN モバイル ONE同様、MVNOのサービスが選択肢に入る。
小容量プランだと月額290円で1GBからの日本通信SIM、月額280円で100MBや月額550円で1GBのHISモバイル、月額950円で5GBのIIJmioなどが選択肢に入る。これらの3サービスはeSIMを提供しているので、iPhone 17やiPhone Airでも利用できる。
通信品質も重視したければ、ソフトバンクのLINEMO、auのpovoも有力な候補になる。LINEMOの「ベストプラン」は月額990円で3GB、3GB超〜10GBは月額2090円の2段階制なので、月によってデータ利用量にムラがある人に適している。さらに、MNPで乗り換えてLINEMOベストプランを契約すると、1万ポイントの還元も受けられる。
povoは多種多様なデータトッピングを販売しているが、小容量だと990円の3GB(30日間)がおすすめだ。LINEMO ベストプランとpovoの3GBトッピングは、OCN モバイル ONEの3GBプランと同額なので、違和感なく乗り換えられるはずだ。
2025年のiPhoneがeSIMのみ対応になったことで、今後はPixelを始めとするAndroidスマートフォンのメーカーも「eSIMのみ対応」の動きに追随するかもしれない。OCN モバイル ONEユーザーは、いよいよ乗り換え先を本気で検討する時期に来たといえる。
ドコモとしては、OCN モバイル ONEから自社サービスに乗り換えてもらう大きなチャンスになる。せっかくお知らせを掲出するのなら、eSIMに対応する予定のないことははっきり告知し、乗り換え施策を大々的に訴求すべきではないだろうか。
OCN モバイル ONEからドコモやahamoに乗り換えると2万ポイントの還元や、乗り換えた上で対象機種の購入で最大4万ポイント還元などを受けられる特典が充実している。これを機に、思い切ってドコモ関連のサービスやdポイント経済圏に乗り換えてしまうのも一考の価値ありといえる。
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