NTTドコモは2025年9月19日午後4時30分頃からeSIM対応端末において、eSIMの開通がしづらい事象が発生していたと明らかにした。原因は設備故障で、20日午前9時36分に概ね復旧したという。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2025年9月20日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
実際、SNS上では、iPhone 17シリーズならびにiPhone Airに機種変更したドコモユーザーからトラブルの声が上がっていた。「オンラインで購入して届いたものの、eSIM専用にも関わらず、なぜか物理SIMカードが発行されてしまっていた。eSIMにするには一度、物理SIMカードを開通しないといけない」といったことにより、ドコモショップに駆けつけざるを得なかったという状況もあったようだ。
ソフトバンクやKDDIは「eSIMの本格化に向けて、1年近く前から準備してきた。ショップでも積極的にeSIMを扱ってもらうようにして、eSIMに慣れてもらうようにしてきた」(KDDI関係者)という。特にKDDIは日本で初めてeSIMを導入したキャリアということで、今回も気合いが入っていたようだ。
そんななか、NTTドコモはeSIMに対して、ちゃんと準備をしてきたのかという疑問がわいてしまう。
そもそも、アップルが今回、「すべてeSIM」と発表した途端にネット上では「eSIM反対派」から否定的な意見が続出した。そもそも、一般の人がSIMカードなんてほとんど触らないのだから、気にしなくていいようなものの、よくわからないものには反対する流れがあるようで、eSIMに対しての不信感が募っていた。
本来ならば、キャリアはeSIMがいかに安全で便利なものかをアピールしなくてはいけない。しかし、今回のNTTドコモによる障害によって「eSIMって大丈夫?」と疑問符がつくようになってしまった。
確かに振り返ってみれば、NTTドコモはeSIMにとても慎重な感じがある。なかなか、eSIMを導入してこなかったし、一時期は休止していたこともあったように思う。
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SIMを入れる際にも32桁のEIDが必要であったりと、他キャリアに比べるとeSIMに後ろ向きな印象が強い。
とはいえ、もはやアップルがeSIMに本気になった以上、キャリアとしてはeSIMの本格普及は待ったなしの状態だ。今後、Androidメーカーも続々とeSIMオンリー端末を出してくるだろう。
NTTドコモとしても、万が一、eSIM関連でトラブルを起こしたときも、SMSに頼らない本人確認の仕組みなどを整備していく必要がある。
そもそもeSIMでトラブルを起こさないことが重要であるし、トラブルになったときにドコモショップに行かないとどうしようもない、というのは避けなくてはならない。
「本人確認をいかに厳重にやるか」という視点は忘れてはいけないが、もうちょっと、しっかりして欲しいと思う。
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