マネ活プランの競争優位はどこにあるのだろうか。この問いに対し、松田氏は次の2点を強調した。
データ無制限、Starlink、Fast Lane、海外放題――これらをセットで提供できるキャリアは限られている。その上で、金融をオプション的に追加できる構造がKDDIの特色だ。
決済、カード、銀行を日常的に使うユーザーは、特典額が月数千円〜年間5万円を超えるレベルで跳ね上がる。これは、ライトユーザーよりも“生活丸ごとKDDIに寄せる”ユーザーにこそ最適化されたモデルだ。松田氏が「販促費競争から商品力競争へかじを切る」と語った背景には、短期的なキャンペーン施策よりも、こうした深いロイヤルユーザーの獲得を重視する戦略がある。
今回のアップデートは、ズバリ金融強化なのだろうか。松田氏は次のように答えている。「入り口の競争だけではなく、入っていただいた方(加入者)が心地よく使える仕組みが重要」と、単なる金融強化プランではなく、長期戦略の一環であることを示唆するコメントを述べた。つまり、通信契約は入口にすぎず、生活の金融動線に沿って便利さと還元を積み重ねることで、長期利用につながるという考え方だ。
KDDIにとってauじぶん銀行は単なる連携先ではなく、au経済圏の中心となる基盤だ。口座に資産がたまり、決済とカード利用がひも付き、通信料金が現金で戻る――このループをどれだけ強く回せるかが、今後の競争の鍵を握る。
auバリューリンク マネ活2の発表会場に登壇したKDDIの松田浩路社長。今回のアップデートは金融強化なのか。松田氏は加入後に心地よく使える仕組みが重要と述べ、通信契約を入口に金融の利便と還元を積み重ねて長期利用につなげる戦略と説明する。KDDIはauじぶん銀行を経済圏の基盤と位置付け、資産や決済、通信を循環させて競争力を高める方針だ。この循環を強めることが今後の鍵となり、ユーザーの定着にも直結すると見ている今回のキャッチコピー「au史上鬼貯まる」は、単なる広告文句以上の意味を持つ。ユーザーがKDDIの経済圏に深く入り込めば、実際に“現金がたまる”実感が得られる構造になっているからだ。
そして松田氏が「auの秋といえばマネ活」と宣言したことは、今後も金融領域を年次でアップデートしていく意思表明ともみてとれる。土台となるベースプランは安定させつつ、外側の価値を継続的に磨き上げる――それがKDDIの新しい料金戦略であり、“商品力競争”の本質といえる。
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