NTTドコモとNECは、アマゾン ウェブ サービスが提供するクラウド基盤「AWS」上に、商用の5Gコアネットワークを構築した。両社は2026年2月26日から、国内で初めてとなる商用サービスの展開を始めている。自社設備とクラウドを組み合わせたハイブリッド環境により、ネットワークの信頼性と柔軟性が大きく向上した。
これまでの通信基盤は自社設備のみで運用していたため、急激な通信量の増加への対応には物理的な制約があった。しかし、AWS上にネットワーク機能を配備したことで、通信容量の迅速な拡大が可能になった。ドコモは要件定義や設計方針の策定を主導し、NECはクラウド上での運用に最適化したシステム再設計を担った。
この新体制は、スポーツ大会やライブイベントなど、特定の場所で突発的に通信トラフィックが急増する場面で真価を発揮する。必要に応じてクラウド上のリソースを即座に確保し、混雑が解消すれば縮小するといった柔軟な運用を実現した。利用者は、混雑時でもストレスのない安定した通信サービスを享受できる。
また、今回の取り組みは環境負荷の低減にも寄与する。検証段階において、省電力性能に優れたCPUを採用したことで、電力消費量を約7割削減できることを確認した。商用環境においても最新のプロセッサである「AWS Graviton3」を活用しており、持続可能な通信インフラの構築に向けた一歩となった。
さらにドコモとNTTドコモビジネスは、AIエージェントが自律的に動く「Agentic AI」を活用し、ネットワークの設計から構築までを自動化することに世界で初めて成功した。従来は専門家が膨大な設定ファイルを手作業で作成していたが、この新技術の導入により、人為的なミスを排除しながら構築作業を進められる。
NTTドコモビジネスの池尻雄一氏は、AIが専門知識を要するプロセスを変革し、サービス提供までの期間を短縮すると述べている。実際に、AIと運用管理手法を統合した新アーキテクチャにより、構築期間を従来比で約80パーセント短縮した。ドコモは今後もAIの活用範囲を広げ、運用の完全自動化を目指していく。
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