スマートウォッチ「wena」復活、「wena X」発表 腕時計とバンドをワンタッチ切り替え、先代から全長8.5%小さく

» 2026年03月17日 11時00分 公開
[田中聡ITmedia]

 augment AIが3月17日、スマートウォッチ「wena X(ウェナ クロス)」を発表。3月20日11時にGREEN FUNDINGにてクラウドファンディングを開始する。

wena X ソニーから事業を継承し、augment AIが開発した新型スマートウォッチ「wena X」
wena X レザーバンド
wena X メタルバンド

 クラウドファンディングの支援金額は以下の通り。

  • 超早割:「wena X metal/leather + loop rubber バンドとお好きなエンドピースをプレゼント」セット:5万6800円(16%オフ、先着限定各500本)
  • 超早割:「wena X loop rubber」:4万6800円(18%オフ、先着限定500本)

 発送は2026年12月末から順次行う予定だ。クラウドファンディング終了後は一般販売も視野に入れており、価格は4万円台〜5万円台を想定している。

2026年2月にサポート終了も、会社を変えて事業を継続

 wenaシリーズは、ソニーが2016年から販売していたスマートウォッチのシリーズ。バンド部分にスマートウォッチの機能を搭載し、時計のヘッドを自由に組み合わせられることを特徴としてきた。2016年に初代モデルの「wena wrist」を発売し、2017年にはディスプレイを備えた第2世代モデル「wena wrist pro」「wena wrist active」を発売した。2020年に発売した第3世代の「wena 3」は、腕時計のバックル部分にスマートウォッチの機能を集約し、バックルとバンドを分離する構造にすることで、さまざまなバンドに交換できるようになった。

wena X 右から第1世代、第2世代、第3世代のwena

 一方、wena 3以降、後継モデルを発表しておらず、ソニーは2026年2月でwenaシリーズのサポートを終了した。ここでwenaの事業は終息を迎えたかに思えたが、wenaの発案者であり、初代モデルから開発を続けてきた、augment AI代表取締役の對馬哲平氏は「どうしても諦めきれない思いがあり、お客さんからも、次のモデルを出してほしいという声を多くいただいていた」と話す。こうした思いを受け、wena事業は会社を変えて継続する運びとなった。

 wena Xは、wena事業を展開してきたチームがスピンアウトして立ち上げた新会社、augment AIが手掛けている。同社はソニーグループからwenaシリーズの商標と特許を継承し、wenaのコンセプトはそのままに、ウェアラブル事業を推進していく。

ワンタッチでバンドを着脱、1.53型のカーブ有機ELを搭載

 そんなwena Xは、これまでのwenaシリーズと同様に、好きな時計のヘッドを組み合わせてスマートウォッチとして使える他、バックル+バンドのみのスマートバンドとしても使用できる。バックルとバンドを分離できる構造はwena 3と共通しているが、wena Xではワンタッチでバックルモジュールを着脱でき、この技術は特許を取得している。

 仕事や外出の際にはスマートウォッチとして使い、運動や就寝時などにはスマートバンドとして使うといった活用が可能だ。取り付けられる時計の対応ラグ幅は16〜24mmまで拡大し、より多くの腕時計を組み合わせられる。

wena X この状態で時計のヘッドを装着して使用する
wena X こちらはスマートバンドとして使うスタイル(写真のバンドはイメージ)

 バンドはループレザー、レザー、メタルの3種類あり、それぞれで2色の計6種類を用意する。

wena X 6種類のバンドを用意する

 ディスプレイには1.53型、460×188ピクセルのフルカラー有機ELを採用しており、表示領域はwena 3の1.19型から72%拡大した。また、腕時計の世界観を実現するべく、細い線と落ち着いた色調の数字フォントやアイコンを新規開発し、ミニマルなデザインを追求。ディスプレイを含むモジュール部分全体をカーブさせたことで、装着感のよさにもこだわった。

wena X
wena X 時計のデザインになじむフォントやアイコンを採用している

ハードウェアの工夫で小型化を実現 バッテリーはわずか80mAh

 もう1つ大きな特徴は、1.0型以上のフルカラーディスプレイを搭載した主要メーカーのスマートウォッチと比較して、「世界最小」をうたう本体サイズだ。先代のwena 3から全長8.5%の小型化を達成した背景には、ハードウェアの工夫がある。

wena X wena X(左)はwena 3(右)からバックルの小型化に成功した

 wena Xはアンテナパーツを内蔵しておらず、外装の金属部分をアンテナとして活用することで部品を削減できた。本体全体をカーブさせているが、基板は直線上に入れており、中央部や端の空いたスペースを有効活用して部品を並べた。また、wena 3では背面のバックル下部に心拍センサーを内蔵していたが、wena Xではバックルに穴を開けて心拍センサーを内蔵することで、本体の短縮化に成功した。

wena X バックルの背面に穴を開けて心拍センサーをはめ込んだことも、小型化に貢献した

 バッテリーの小型化も本体の小型化に効いている。wena Xのバッテリー容量は、わずか80mAh。一般的なスマートウォッチが200mAh前後のバッテリーを備えるモデルが多い中で、異例ともいえるサイズだ。それでいて、wena Xは最大1週間のバッテリー持ちを実現するという。超小型バッテリーで低消費電力を実現できたのは、独自OS「wena OS」によるところが大きい。wena OSは超省電力、安定性、リアルタイム性を特徴としており、細かなスリープ制御を行うことで長時間の電池持ちを実現するという。

 外装にはステンレス素材の「SUS316L」を採用しており、従来製品よりも硬度が5倍以上になるコーティングを施している。

ヘルスケア機能やエクササイズ機能も強化

 ヘルスケア機能も強化した。augment AIは、高精度な睡眠計測技術を持つスタートアップ、ACCELStars(アクセルスターズ)と資本業務提携を締結し、wena X向けの睡眠解析機能を共同開発した。wena Xでは、4段階の睡眠ステージを判定し、仮眠検出、スマートアラーム、睡眠スコア、睡眠分析などの機能を持つ。

 130種類以上のエクササイズに対応するスポーツモードも用意する。運動を開始すると自動で検知し、トレーニング効果やトレーニング負荷、筋肉回復度・回復時間、VO2max(最大酸素摂取量)、フィットネス年齢などを可視化する。睡眠解析やスポーツモードで取得したデータは国内のサーバで管理し、自社で管理する。

ジェスチャー操作やNFC決済も開発中だが、Suicaは対応せず

 天気、アラーム、タイマー、ストップウォッチ、スケジュールなどのアプリを内蔵。スマートフォンはiOSとAndroidの両方と連携でき、wena Xで取得した各種データはスマートフォン用のwenaアプリから確認できる。連携しているスマートフォンのカメラや音楽の操作も可能だ。ChatGPTを内蔵しているのも特徴で、wena Xのマイクに向かって話しかけるだけで回答を得られる。なお、wena Xはスピーカーを搭載していないため、通話をすることはできない。

wena X 内蔵しているアプリ

 新機能として、指を動かすことで各種操作ができるジェスチャー操作も開発中で、指パッチンをすることで、音楽の再生、停止、スキップができるようになる予定。NFC決済も開発中であり、国際ブランドの決済に対応する予定。ただし、wena 3で利用できたSuicaは、現時点で対応の予定はない。

wena X 指パッチンで音楽操作が可能になる予定

wena10周年記念モデルを34万9800円で先行予約

 wenaの事業が2026年6月30日に10周年を迎えることを記念し、機械式スケルトン腕時計「wena X - 10th Special Edition - 」を、クラウドファンディング限定価格の34万9800円で200本も3月20日から先行予約する。

wena X 限定モデルの「wena X - 10th Special Edition - 」

 このモデルには、スイス製の新型機械式ムーブメント「SELITA SW200-2 S b Power+」を採用しており、8振動(4Hz)による滑らかな針の動きと65時間のパワーリザーブを両立させた。バンドには、フランスのJean Rousseau(ジャン・ルソー)が手掛けるカーブレザーバンドを採用している。

wena X wena Xの主なスペックとwena 3からの進化点

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