“見せかけのスマホ性能”が話題 「テスト時だけ本気出す」闇発覚、ベンチマークに意味はない?【訂正】(1/2 ページ)

» 2026年03月24日 13時00分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 最近、SNS上で「スマホ業界の巨大な闇」という言葉が飛び交い、大きな騒動となった。事の発端は、登録者数37万人を超えるある動画クリエイターが投稿した、中国ZTE傘下のnubia Technology製ゲーミングスマートフォン「REDMAGIC 11 Pro」に関する検証動画だ。

スマートフォン スマートフォン ベンチマーク 性能 中国ZTE傘下のnubia Technology製ゲーミングスマートフォン「REDMAGIC 11 Pro」

発端は動画による告発──「ベンチマーク」の時だけ発動する特殊な仕様

 今回の問題の鍵となっているのは「ベンチマーク」という仕組みだ。これは、スマートフォンがどれだけ速く動くか、複雑な映像を滑らかに映せるかといった性能を、専用のアプリを使って数値化する「性能の視覚的チェック」のようなものだ。本来、この数値は私たちが実際にスマートフォンを使ってゲームをしたり動画を見たりする際の「快適さ」を客観的に判断する目安になるはずだ。

 ところが、検証によって、REDMAGIC 11 Proがテストアプリを検知した時だけ、強制的に限界を超える異常なパワーを出す「ベンチマークブースト」と呼ばれる仕組みを搭載していることが分かったそうだ。

 本来は、通常の設定画面にはない特殊な高負荷機能(ディアブロモード)を手動で呼び出さない限り出せないような出力を、テストの時だけ裏で勝手に発動させてエンジンを回し続ける状態になるため、通常の利用シーンとは懸け離れた高いスコアが記録されていたのだ。

【訂正:3月24日17時55分】初出時、ベンチマーク時に過剰なパワーを出す仕様を「隠しモード(ディアブロモード)」として紹介していましたが、正しくは「テスト検知時に裏で強制発動する『ベンチマークブースト』」についての問題であったため、本文の該当箇所を修正しました。読者の皆さまにご誤解を与えましたことをお詫びして訂正いたします。

性能を追い求めすぎた代償? 検証中に起きた異常事態

 これがなぜ大きな問題として捉えられているのか。それは、この「隠しモード」がスマートフォン本体に過剰な負荷をかけていたからだ。ベンチマークアプリの提供元と協力して行われた解析では、テスト中に内部(CPUやSSDなど)の温度が異常に高い状態のまま下がらず(高止まりし)、最終的には強制的に電源が落ちてしまう(シャットダウンする)事態も確認されたという。

 多くのユーザーは「テストの結果が良いからこのスマートフォンは高性能だ」と信頼して購入を検討する。しかし、もしその数値が故障のリスクを冒してテストの瞬間だけ無理やり出したものだとしたら、それは実用的な性能とはいえず、消費者を誤解させる行為になりかねない。

 この報告を受けて、登録者数40万人を超える別の著名なガジェット系YouTuberも「今後は性能テストの数値を公開しない」と宣言するなど、その公平性に疑問を投げかける動きが広がっている。

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