OpenAIは2026年3月25日、動画生成AIである「Sora」のアプリ提供を終了すると発表した。SoraチームはXでユーザーに感謝の意を表明している。アプリ提供終了のスケジュールを近日中に公開する予定だ。同時にアプリケーションプログラミングインタフェースの終了時期も案内する。ユーザーが過去に作成した動画データを保存するための詳細な手順についても後日共有すると説明している。
同社は2024年12月9日にSoraを正式に公開した。「ChatGPT」の有料プラン利用者を対象に、専用Webサイトで単独の製品として提供を開始した。ユーザーは最大解像度1080pで最長20秒の動画を生成することができた。
ユーザーは自身の素材を読み込んで動画を拡張したり、テキストからまったく新しいコンテンツを生成したりできた。入力内容を正確に指定できるストーリーボードツールも備え、利用者は動画を通じた新しい物語の表現や限界の打破を模索した。
2025年9月30日には、次世代モデルの「Sora 2」を公開した。従来のシステムと比べて物理的な精度と現実性を高め、環境音や効果音を追加する機能を備えた。同社は同時にSora 2を搭載した「iOS」向けのソーシャルアプリも公開した。
iOS向けソーシャルアプリはユーザーが自身の容姿を動画に追加できるカメオ機能を実装した。アプリ内で短い動画と音声を記録して本人確認を済ませれば、自分の姿を動画の場面に直接追加できた。同アプリは友人との利用を想定して設計した。高品質モデルを提供する有料プランの導入や、外部システムと連携するアプリケーションプログラミングインタフェースでの公開も進めた。
一方でSora 2の公開後から、一部のユーザーが「X」や「YouTube」で同システムで生成したと思われる画像や動画を拡散した。これらの中に、著名な創作物や表現への依拠性や類似性が強く疑われるものが散見される事態が発生した。
こうした実態を受け、日本動画協会やKADOKAWA、講談社、小学館、スクウェア・エニックスらは2025年10月31日に「生成AI時代の創作と権利のあり方に関する共同声明」を発表した。声明では同社がSora 2において権利者から明示的なオプトアウト申請がない限り著作物を生成して公開し、公衆送信されるシステムを採用した点を指摘。この仕組みは日本の著作権法の原則や世界知的所有権機関が定める著作権条約の原則に反すると主張した。
Sora 2公開後、著作物への依拠性が疑われる生成物の拡散が問題視された。これを受け、日本動画協会や出版大手各社は2025年10月31日に共同声明を発表。同システムの仕組みは著作権法の原則に反すると主張した2025年12月11日には、ウォルト・ディズニー・カンパニーと3年間のライセンス契約を締結した。ウォルト・ディズニー・カンパニーCEOのRobert A. Iger氏と同OpenAI共同創業者兼CEOのSam Altman氏が協業を発表した。これにより、ユーザーは200以上のキャラクターを指定して短い動画を生成できるようになった。ミッキーマウスやアイアンマンなどのアニメーション版を利用可能にした。この合意によりウォルト・ディズニー・カンパニーは同社に10億ドルの株式投資を行った。
両社は2026年初頭にユーザーのアイデアから生まれる動画の生成を開始する予定だった。ユーザーが作成した短い動画の一部を「Disney+」で視聴可能にする計画も発表し、自社の従業員向けにChatGPTを導入する方針も示していた。違法または有害なコンテンツの生成を防ぐための管理体制を維持し、個人の声や肖像の適切な利用を管理する権利を尊重するという共通の約束を両社で確認していた。
OpenAIは他社との連携も含めて継続して機能拡張を進めてきたが、今回のアプリ提供終了は突然の発表となった。
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