KDDIとみちのりホールディングス(みちのりHD)は、自動運転向けにAIが通信品質を自律的に最適化する通信技術を活用し、2026年9月1日から茨城県日立市で自動運転バスを用いた通信技術実証を実施する。データ取得期間は10月末までのうち7日間程度を想定している。
特定自動運行主任者を遠隔に配置した特定自動運行(レベル4自動運転)では、遠隔監視システムの作動状態を常時監視することが義務付けられており、途切れることのない安定的な通信環境が不可欠だ。一方で、通信品質向上のための新たなインフラ整備にはコストと時間を要する課題があった。
本実証では、基地局の動作に影響する多様なパラメーター設定を複数のAIが協力して自律的に最適化する技術を活用する。これにより、5Gの接続性や通信品質の向上を図るほか、遠隔監視業務の改善効果や運用負荷の削減可能性を検証する。
なお、本取り組みは総務省から採択された「地域社会DX推進パッケージ事業(自動運転レベル4検証タイプ)」の一環として、日立市の協力のもと実施される。本実証で用いるネットワーク高度化技術は、KDDIとKDDI総合研究所が2026年2月から全国の基地局へ順次導入を進めているものだ。
近年、全国的な運転手不足を背景に移動手段の確保や維持が社会問題化しており、自動運転技術を活用した移動サービスの早期社会実装が期待されている。政府も「モビリティ・ロードマップ 2025」において「自動運転社会実装先行的事業化地域」を選定し、2027年度を目標に先行的な自動運転サービスの事業化と全国展開を目指している。
日立市は2017年から「ひたちBRT」において自動運転走行実証を国内で先行して実施し、2026年3月からは国内最長距離の約6.1km区間かつ、国内初となる中型バスでのレベル4商用運行実績を持つ。
今回の実証では、主に以下の3点を検証する。
実証は「ひたちBRTルート」と「大甕駅周回ルート」の2つのルートで実施する。
ひたちBRTルートは、バス専用道路空間を活用した区間で、バス停14カ所、一般道との交差部11カ所、横断指導線15カ所が存在する。車両は中型バス「いすゞ エルガミオ」をベースに、LiDAR、カメラ、ミリ波レーダー、ジャイロセンサー、GPS受信装置などを搭載している。
一方の大甕駅周回ルートは、大甕駅東口〜臨海工場前〜大甕工場前を結ぶ約3.0kmの一般道周回ルートだ。車両には小型バス「ティアフォー Minibus」を使用し、ひたちBRTと同様のセンサー類を備えている。
両社は本協業を通じ、自動運転サービスの事業性・運用性・安全性を高め、地域交通の課題解決と持続可能な移動手段の確保を目指す。
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