すべてはユーザーデータ保護のため──新型dynabook SSシリーズ開発陣インタビュー東芝 新型dynabook SSシリーズ(2/4 ページ)

» 2005年01月19日 17時00分 公開
[本田雅一,ITmedia]

守るべきは“情報”

 車のバンパーなどは、強い衝撃が加わると変形あるいは破壊され、それによってエネルギーを吸収する。本機のショックプロテクターも同様の考え方なのか?

東芝 「車のバンパーやボディのクラッシャブルゾーンは、車の中にいる人間に危険が及ぶような強い衝突が発生した場合、そこが壊れることで衝撃を吸収して乗員を守ります。新型dynabook SSシリーズのショックプロテクターも、これと同じ考え方を採用しています。

 外装をガチガチに固くすると、衝撃が内部パーツにダイレクトに伝わってしまい、外回りはヒビ一つ入っていないのに、マザーボードが壊れてしまうといったことが起きてしまいます。ユーザーにとって大切なのはノートPCの中にある情報ですから、きちんと衝撃を吸収しなければなりません。

過度の衝撃がかかった場合、ショックプロテクターが壊れて衝撃を吸収することで、内部パーツを破損から守る

 ただし、壊れやすくしているというわけではありませんよ。壊れるほど強い衝撃が加わった時、ショックプロテクターがそれを吸収するということです」

 ショックプロテクターはPCの内部全体に対する衝撃を和らげることができそうだが、PCの中にはHDDというデリケートなパーツもある。これらに対するケアは?

東芝 「HDDだけでなく、液晶パネルも衝撃に対して弱いパーツです。HDDに関しては、まずHDDプロテクション機能でヘッドを退避させますが、加えて、ゴム素材を使ったプロテクトラバーを採用して主要パーツを保護しています。さらにコネクタもマザーボードに直接搭載せず、フレキシブル基板経由で接続しています。

角度が変わるフレキシブルシリアルATAコネクタ経由でHDDをフローティングマウントしている

 このゴム素材は液晶パネルの取り付けにも使いました。新型dynabook SSシリーズの液晶パネルはフローティングマウントになっているため、強い衝撃が加わっても割れにくくなっているんです。バンパーは比較的低速度の強い衝撃に対応する機能ですが、速度の速い衝撃に対してはこうした設計が有効です」

液晶パネル側の天板の内側。液晶パネルを特殊ゴム素材でフローティングマウントにしている(写真は試作機のため、量産機ではゴム素材の配置などが多少異なる場合があります)

ウォーターブロック構造で“猶予”を作り出す

 ウォーターブロック構造とはどういったものなのか?

東芝 「ウォーターブロック構造は、キーボード部分から入り込んだ水分を保護シートで受け止め、その水分が電気回路部分に漏れるのを遅らせる仕組みです。

キーボードの下に張られた保護シート

 ウォーターブロック構造の基本コンセプトは、水がかかっても作業中の成果物が失われないようにすることです。作業中のアプリケーションを正常終了させる時間的猶予を作ることができれば、作業中の文書を保存し、Windowsをシャットダウンすることが可能です」

 やはりここでも、作業を無駄にしない、ビジネスデータを失わないことを最優先に考えて設計している。このことは新製品全体に染み渡っている基本コンセプトだ。

 新型dynabook SSシリーズは、単に丈夫で壊れにくいノートPCを作るのではなく、その中にある情報を守る、保存する猶予を与えることを目標にしている。もちろん、モノとしての壊れにくさも重要だが、本当に大切で価値あるものは、PCの中にあるデータ自身であるとの考えが徹底されている。

 PCを持ち歩くことにはさまざまなリスクがついて回るが、そのリスクによる被害を最小限に抑えるために、どのようなアプローチを取ればいいのか。新型dynabook SSシリーズのコンセプトは、企業向けモバイルPCの新しい方向を指し示しているようだ。

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