なぜ日本語入力のために、わざわざお金をかけるのか──私が「ATOK」を手放せないワケ(4/4 ページ)

» 2006年03月20日 00時00分 公開
[松井幹彦,ITmedia]
PR
前のページへ 1|2|3|4       

そのほかの便利な機能

 このようにATOKを利用することによって、非常に多くのメリットが得られるのだ。とくに前項で述べたように、わざわざ単語登録をする必要がないのは効果が大きいだろう。これらの機能がATOKの変換効率の良さを加速するようになっていて、私はとても気に入っている。

 入力中の単語登録は便利だが、副作用もある。よけいな単語が登録されてしまい、変換時に削除したいと感じることがままあるのだ。その点ATOKでは、「Ctrl」+「Delete」キーを押すと、変換中の単語をワンタッチで削除できるようになっている。単語の自動登録とワンタッチの単語削除は、片方だけではダメで、両方が揃って機能を発揮すると言えるだろう(図5)。

図5:自動登録とショートカットキーを使ったワンタッチの削除機能は、組み合わせて利用すると効果を発揮する。

 こうしてユーザー登録した辞書データは、とくに筆者のようなライターにとっては「商売道具」と言える。嬉しいのはATOK Syncと呼ぶ機能があり、インターネット経由でどのPCからも辞書データの同期が行えるようになっていることだ。この機能の詳細については割愛するが、これも筆者がATOKを手放せない大きな理由だ。

図6:ATOK Syncを使えば、複数のパソコンで使っているATOKを、インターネット経由で同じ環境にすることができる

 また、豊富な専門用語変換辞書や連携電子辞典、最新のオプション辞書が用意されているのもありがたい。ATOK 2006の発売に合わせて「広辞苑 第五版 for ATOK」がリリースされたほか、「goo流行語辞書 for ATOK 2006」がATOKのWebサイト「ATOK.com」から無償でダウンロードできる。「ちょいワル」や「エチカ表参道」など、gooで検索された最新の流行語や時事用語を推測変換候補として利用できるようになる省入力データだ。

日本語入力システムで大切なことは何か

 最終的に“同じ日本語”が入力できればよいのだから、多少の手順の違いや付属機能の違いは問題にならないという意見がある。しかし、これは間違いだろう。日本語入力システムで大切なのは、「気持ちよく文章が入力できる」ということだ。

 筆者は文章を書く仕事をしているので、単位時間あたりに作成できる文章量がそのまま収入につながる。いや量だけではない。締め切りまでの限られた時間の中でどのくらい密度の濃い文章を作成できるかは、とても重要だ。

 普通のビジネスマンでも、パソコンに向かっている時間の多くは、日本語を入力しているのではないだろうか。考えたり、準備をしたりする時間でも、結局、日本語入力システムを使ってメモをとっているということも多い。

 文章作成中のほんのわずかの差でも、トータルすれば確実に違いが出る。その意味からも、いったん覚えた操作を覚え直すのは大きな損失となる。とくにフレッシュマンには、大げさでなく、「これから先の長い人生を共にするツール」なのだから、しっかりと見極めて選んでほしいと思う。

松井幹彦 Mikihiko Matsui

年老いた(?)ライター。初代の一太郎(正確にはjX-WORD太郎)からのユーザーだが、ATOK、MS-IME以外に、松茸、Katana、VJE、EGBRIDGE、WXなどさまざまな日本語入力システムを利用してきた。著作は「金持ちAさんになるエクセルの賢い使い方」(技術評論社)、「Excelのビジネス成功法則」(毎日コミュニケーションズ)など。Webサイト「OpenOffice.orgユーザーのためのMicrosoft Office互換性研究室」を主宰。渋谷のロックバー「GRANDFATHER'S」のオーナーでもある。



前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:株式会社 ジャストシステム
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年4月19日

アクセストップ10

2024年04月19日 更新
  1. バッファロー製Wi-Fiルーターに脆弱性 対象機種は今すぐファームウェア更新を (2024年04月17日)
  2. ノートPCに外付けキーボードを“載せて”使える「タイプスティックス/打ち箸」に新色 (2024年04月18日)
  3. ついに8K対応した「Insta360 X4」の画質をX3と1インチ360度版で比較 今買うべき全天球カメラだと確信した (2024年04月16日)
  4. さらなる高速化を実現! PCI Express 5.0接続SSDの新モデル「Crucial T705」を試して分かったこと (2024年04月18日)
  5. SwitchBotのミニプラグに不具合 「断続的にオン/オフを繰り返す、異音」などで該当製品の交換を呼びかけ (2024年04月17日)
  6. アイロボットが4万円切りの「水拭き対応ロボット掃除機」を投入 “一家に1台”を目指す (2024年04月17日)
  7. 無線LANルーター「Aterm」シリーズの一部に複数の脆弱性 設定変更や買い替えをアナウンス (2024年04月11日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. 「JBL GO 4」でBluetoothスピーカーデビュー! 累計出荷台数5700万台を突破した人気製品の最新モデルを試す (2024年04月17日)
  10. NVIDIA、Ampereアーキテクチャを採用したシングルスロット設計のデスクトップ向けGPU「NVIDIA RTX A400/A1000」を発表 (2024年04月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー